森を甦らせるということ アファンの森の森づくり

アファンの森について

日本の森の現状

日本は国土の67%が森林といわれています。しかし戦前から、日本の多くの原生林は切り倒され、現在日本には原生林とよばれる森は2%しかありません。その60%以上が本来の森を伐られ、人が利用するためのスギやヒノキの人工林、いわゆる材木を育てるための畑になっています。

伐採されてしまった原生林

放置され、もやしのように生えているスギ植林地

しかもその植林された森が、またもや経済的な理由で放置され、今や荒れ果てています。 食べ物を失った野生動物たちは、里に下りて農作物を荒らさざるを得なくなり、絶滅の危機に危ぶまれるツキノワグマさえ、里におりてくれば害獣として打ち殺されてしまうのです。

また、残りの森の40%が、二次林とよばれる里山です。かつて日本人は、薪や炭などの燃料を調達したり、山菜やキノコ、落ち葉は堆肥にと里山から自然の恵みを上手に戴く生活をしていました。そして、里山を利用することで明るい森が維持され、さまざまな動植物の生息・生育場所も提供していたのです。

しかし、その後高度経済成長の波により、私たちの生活が、石油や電気中心のライフスタイルに変わると、次第に里山は放置されていきました。人の手が入った 森は、放置されるとヤブを構成する植物に覆われ、真っ暗な森に荒廃していきます。そこには、かつての明るい里山で暮らしていた動植物たちの居場所はありません。

日本の絶滅危惧種の55%が、里地里山に依存していた動植物だと言われてるほどです。

黒姫の森からはじまった「森の再生」

アファンの森に手を入れ始める時、広がっていたのは荒れ果てた里山の放置林でした。40年以上も放置され、つるやヤブ木が繁茂し風が通らず、地面には光が届 かない病んだ森でした。人はもちろん、生き物もあまり寄り付かない場所で地元の方々からは「幽霊森」と呼ばれていました。

そんな幽霊森に手を入れ始めたのは1986年。再び様々な生き物が暮らせるような森に戻そうと、活動は始まりました。

  1. ヤブを刈り払い、木に巻きついたツルを落とします。そうして見通しを良くすると木々の育ち具合が分かります。
  2. 元気のよい木の生長を促すように、枯れた木や元気のない木を見極めて除伐します。
  3. 開けた場所には、もともとその場所でそだっていた木を植え。
  4. その苗木や地面の状況を見ながら下草刈りを続けます。

たくさんの思いと、たくさんの議論を重ねながら手入れをすることで、アファンの森は少しづつ息を吹き返し、手をれ始めてから17年後の財団法人設立当初には、春には色とりどりの花が咲き、夏にはさまざまな種類の緑の木々が風に揺れる美しい森に戻ってきていました。

整備前

整備後 上の写真と同じ場所

永遠の森へ -森づくりのポリシー-

「森の価値はお金じぁ計れねえ。森には大きい、小さい、早い、遅い、おいしい、まずい、みんななきゃダメなんだ」と語るのは、アファンの森を1986年より育ててきた松木信義氏。

木にもそれぞれ役割がある、動物が食べる木の実をつける木、鳥が巣をつくるための木、大木、その下には次世代を担う若い木、といった多様性とバランスが豊かな永遠の森を育みます。

私たちは、森の再生事業を推進するために次の基本方針を掲げています。

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