【事務局日記】木の見分け方(冬編)
事務局日記葉が付いていない木を見分ける事が出来ますか?
下の写真は何の木でしょう?右の写真の木は?
普通、何の木なのかを見分ける時は葉を見ますよね。大きいとか、細長いとか、ギザギザしているとか、葉の形状から判断することが多い思います。そういう私も葉で判別する事がほとんどです。
ですから、今の冬の季節、森で見かける木も
「あれ?この木は何だっけ?」となってしまいます。
左はコブシなのですが、この写真だけではちょっと分かりませんね。
右はホオノキです。葉があると非常に分かりやすいです。
森の番人 松木は良く言っていました。
「葉が付いてなくちゃ木の種類がわからねーんじゃ仕事ができねーじゃねーか。」
確かに。。。
種類や地域によって違いはありますが、落葉樹は落葉する11月~新芽が出る4月まで、1年の約半分は葉がありません。
思った以上に長くないですか?
それでは葉が付いていない時はどうしたらいいのか?
それならば葉以外の所、枝ぶりであったり、樹皮の色や形状(つるつるしているとか、ボコボコしているとか、トゲがあるとか)などで判断をすれば良いとなるわけですが、、、
シラカバ(右写真)は樹皮が白いからシラカバと呼ばれますし、ハリギリという木は樹皮がトゲに覆われています。分かりやすいですね。これだけ特徴があるものの見分けは容易にできます。
ですが、それだけでは判断できないことがあるのです。
そもそも似たような樹皮を持つものも多いのですし、樹皮は成長の具合によって変化が大きいのです。
まして、太さや高さなんてなんのあてにもできません。
実は、
樹皮が白いシラカバも幼木の時は白くありません!
ハリギリもトゲがあるのが判断基準なんて思っていると、大木となったハリギリにはトゲすらありません。
松木クラスになれば、枝一本あれば判断が付くのでしょうが、私たちではそうもいきません。
そんなことを言ったらやっぱり葉が付いていないと判別できないじゃん!
ということになるのですが、それではやっぱり困ります。
でも、たとえ環境が変わっても、木が成長しても変わらない箇所があります。
それが冬芽です。
一方で2~3年しかたっていない幼樹が出す芽も、300年たった老木が出す芽も同じです。
つまり、冬芽を観察する事で葉が付いていない木であっても見分ける事が出来るのです。
もちろん、パッと見てすぐ何の木か分かるようになるには勉強や経験が必要ですが・・・
左の写真はホオノキの冬芽。ページ右上の葉と同じです。
この冬芽が春になると右上のような大きな葉を何枚も広げます。
木の見分けとして冬芽を見るのもいのですが、色や形、大きさ、質感まで種類によって色々な特徴がありますので、純粋に冬芽を観察するのも面白いですよ。
いずれ、そんな面白いアファンの森の冬芽も紹介したいと思います。
ですが、それはまた別の機会に。
(黒姫事務局 大澤)
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