森は未来。ニコルが残したアファンの森

事務局日記

7月17日はC.W.ニコルの誕生日です。

1940年生まれで、今日、80歳を迎えるはずでした。

撮影:菅洋介

英国ウェールズに生まれ、北極探検を経て、人生の半分以上は日本で過ごし、最後の地と選んだのは黒姫でした。

ニコルの友人でもあった詩人の谷川雁さんの薦めもあって、この黒姫に居を構える事になりましたが、黒姫とは不思議なつながりもありました。

ニコルの干支は「辰」年、そして、黒姫には黒龍が棲む伝説があり、しかも7月17日はその黒龍が関係する黒姫様のお祭りの日でもあるのです。また、生まれ故郷であるウェールズの国旗には赤い龍が描かれており、生まれ年、生まれ故郷、そして長く過ごした黒姫とすべてに龍が関わっています。ニコルは「Three Dragon!とてもラッキーだ。」と良く話していました。

 

その黒姫で、アファンの森の再生を始めたのが34年前でした。当時、森を保全するなんて誰も考えもしなかった時代に、たくさんの生きものが棲める豊かな森を個人で再生し始めたのです。そして、人より遥かに長い年月を生きる森を維持し続けるために、2002年C.W.ニコル・アファンの森財団を設立しました。財団が森を管理することで、アファンの森を永遠の森として残して行くことにしたのです。

ニコル自身が亡きあとも、ずっと森が生き続けるように、と。

 

ニコルは数年前に、こんなコメントを残しています。

『北極にあこがれ、日本に行くことを夢見たことからはじまったぼくの旅は、いつかこのアファンの森で終わりを迎えるでしょう。

森は未来です。何十年、何百年後に命をつなぐ未来なのです。

とくに未来そのものである子どもたちに、ぼくのこの森を贈ります。

アファンの森はみんなのもの。

そして、ぼくらはみな、アファンの森のもの、なのです。』

 

ニコルは、アファンの森を私たちに残してくれました。

託された私たちは、未来へと命をつなぐこの森をこの先も残していかなければなりません。

 

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ニコルが最後に残したメッセージ

 Let me be a tree – C.W. Nicol 「森の祈り – C.W. ニコル」

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