
近年急激に生息数が増加し、全国で分布を広げているニホンジカですが、十数年前まではアファン周辺は雪が多かったためかほとんど目撃例はありませんでした。温暖化の影響で積雪量が減ったためこの地域でもシカが増加傾向にあると言われていますが、それ以外にも原因があるようです。シカが増える要因の一つに皆伐があります。皆伐とは対象の森林をすべて伐採することを言います。木が無くなったことで草地が増え、草を食べるシカの栄養状態が良くなり、出産率が上がり急激に増え始めます。ここ数年で近隣の国有林で約60ha、町内の民地では約40ha が皆伐され草地となっています。今後シカが増加していくのではと懸念されます。
これらのことを共有し、今後の対策のきっかけとなるように、国、県、町、森林組合、学識経験者、環境保全の専門学校に声掛けをおこない、森林や鳥獣対策、狩猟の専門家等が参加して、6 月にアファンセンターにてシカ対策に関する会議をおこないました。現状町内ではシカによる被害はまだ多くは見られないという話ではありましたが、明らかにシカと遭遇する機会は増えているという意見も多くありました。シカの被害が拡大している地域では、どこも対策が遅かったと問題になっているようです。会議では、この地域でも対策遅れにならないよう、それぞれができることを考え状況を注視し、今後も連携し行動していくことが重要であるとの結論に至りました。