【財団の活動】東松島で森と海のキャンプ
震災復興ご報告が遅れてしまいましたが、7月末に実施しました7月のキャンプの様子をご紹介します。
7月29日~31日。長野県黒姫のアファンの森を離れて、東松島市の海と復興の森をフィールドにキャンプを実施ました。
アファンの森のある長野県には海はありません。海のない長野県でも川はいずれ海へと繋がりますが、宮城県東松島市は海に面し、復興の森から海が見える程、森と海が近い存在です。復興の森をアファンの森のように多様性豊かな森にしようと森づくりも始まっていますが、森だけでなく海も大切な自然環境だと、森と海は繋がっていると気づいてもらえるようなキャンプにしたいと実施しました。
震災の被害を受けた被災地同士の交流が生まれる機会にしたい。そんな思いもありました。
最初に出会った時にはお互いに距離を置いている感じの子どもたちでしたが…
今回はキャンプ生活を楽しむ事。
今はスイッチ一つでご飯も炊けるしお風呂も入れる便利な世の中です。
が、野外生活ではそんな簡単にご飯だってお風呂だってでてきません。何もしなければ何もないまま。全て自分達で準備をしなければご飯だって、お風呂だって入れないのです。
ご飯は鉄釜で薪を使ってご飯を炊く。お風呂だって…
集めた薪が湿っていたり、生だったりでなかなか火がつきません。いかに燃えやすい薪を集められるかが大事なのです。
必死になって火おこしをする子供たちも煙対策に完全装備。
やっと沸いた風呂は格別でした。
2日目は海。宮戸の月浜海岸に行きました。
まずは海の上をシーカヤックですいすいと。月浜海岸の裏側にあるイナガサキ浜に向かいました。
砂浜に到着するとそこには打ち上げられた海藻やカタクチイワシの稚魚がたくさん。
「1kgのカツオが育つにはイワシは何kg必要か?このイワシが育つには・・・」と海の中の食物連鎖の話や色々な海の生きもの話を畠山さんがしてくれました。
森の中だけなく海の中にも目を向けるとさらに世界が広がります。
ちょっと水温が低めの海でしたが、子供たちはお構いなし。
砂に埋まったり、泳いだり、海藻を集めたり、と存分に海を楽しんでいるようでした。
3日目
自分達で食事も片付けもしていると時間が過ぎるのはあっという間です。
最終日は復興の森づくりのお手伝いをしてもらいました。短い時間でしたが、笹刈りの作業をみんなで。
作業中にでてきた大きなナメクジを捕まえてご満悦。
最後の食事のメインはカツオ!畠山さんから聞いた話を思い出しながら、海の恵みをいただいたのでした。
気がつけばあっという間にお別れの時間。
いつのまにか東松島市の子どもたちも気仙沼の子どもたちも昔から知っていた友達のような雰囲気になっていました。
震災以降、海で泳ぐのは初めての子もいたので、心配でもありました。
しかし、そんなスタッフの心配を吹き飛ばしてくれる子どもたちの笑顔がそこにありました。
ニコルも「津波の経験をし、海の恐ろしさを知っていても、勇敢に海で遊ぶ姿を見られて嬉しかった」
と最後に話をし、それを聞いていた親御さんの目には涙も。。。
子どもたちは前進している。成長していると改めて感じました。こども達の可能性はこんなものではない。もっともっと伸ばしていきたいと思いました。
・共催 NPO法人森は海の恋人
この活動はコスモ石油エコカード基金の助成を受けて実施しました。
(黒姫事務局 大澤)
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