『ウェールズ、いろとりどり』 その3 ~スケッチ~

国際交流

スケッチ

 

「ウェールズに来て、なにが一番大変ですか?」

と聞かれたら、最初に挙げるのは、鳥の色の違いかもしれません。

 

ウェールズのアファンの森には、黒姫の森で見られるのと同じ種類の鳥がいますが、色が異なっているものがいます。

また、今の時期は陽の出ている時間が短くなってきているのと、その角度が低くなっているために、時間によってその色さえも変わってきます。

 

図鑑にするための下絵を描くために、なるべくいい条件で鳥を見ることが大事なのですが、なかなかそれが見られることも少なく、日本で見たものとの違いをはっきり記憶しておくために、かなり大雑把なスケッチになることもしばしばです。

 

今回はそんな「苦労」しているスケッチを、恥ずかしいのですが、お見せします。

絵の中には、シジュウカラ(右上)、ウソ(左上)、ゴジュウカラ(左中上)、ミソサザイ(下)を描いています。

 

雑なスケッチですが、その場で色を描いていく準備をしていくことが、最終作品を仕上げるときに、実はとても役立ちます。

日本では、あまり人前に出すことがない段階のものですが、こちらのスタッフに確認のために見てもらったときには、とても気に入ってくれます。絵を大切に見る文化がイギリスはしっかり根付いているので、その場でいろいろ意見を言ってくれます。

それが私にはとても気持ちよく、そして勉強になります。

 

日本でもそんな文化が根付けば、絵を見る人の「肩の力」が抜けていくのではないかと思ったりもしますね。

 

(ヒヨ吉)

※著作権保護のため、画像の一部加工をしております。あらかじめご了承ください。

 

…………..

ヒヨ吉さん

現在、東京で仕事をする傍ら、アファンの野鳥調査に携わっていただいています。
小学生の頃から野鳥を観察していて、野鳥歴(?)は20年以上。
ニコルの手がけた専門学校の卒業生でもあります。
これまで調査や環境教育などに参画しつつ、野鳥のイラストも描かれていて、
2000年からは英国に留学し、日本では学ぶ場がない「野生生物画」を学んで2003年に帰国。
日本でもイラスト提供や個展など開かれています。
ヒヨドリが大好きなので「ヒヨ吉」。
現在、日英で楽しめる「鳥の本」を製作するために、ウェールズのアファンの森へ出張中。

 

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