『ウェールズ、いろとりどり』 その10 ~日本の皆様へ~
国際交流日本の皆様へ
3月11日の東北地方を震源とした大地震のニュースを聞き、心を痛めております。
私はテレビのない生活ですのでラジオにかじりついて情報を聞いていますが、被害の大きさや状況、時間を追うごとに増す亡くなられた方の数の多さに、思わず耳を塞ぎたくなっています。
あまりに心配で、初めて日本のアファン財団事務局の方に国際電話をかけてしまいました。
ウェールズ・アファンのビジターセンターのレンジャーを始め、カフェで働くお姉さんや清掃のおばさん、併設している炭坑博物館の職員、ボランティアの方々も、今回の日本の災害について心配をしています。
私のところへ来て、亡くなられた人の多さに心からの追悼の言葉を伝えてくれます。
また、私にインターネットのニュースを見ないようにと忠告もしてくれます。
悲惨な状況の写真はあまりにも私には酷だからとのこと。
私の心情を察してくださる皆さんの優しさに、心からの感謝をしています。
おそらく私が来ていなくても、きっとウェールズ・アファンの皆さんは日本のことを考えてくれていたと思います。
しかし、私がいることで、日本をより近くに感じ、今回の地震を自分に起きたことのようにとらえ、情報の正確に知る努力をしているように感じています。
私が言うのもおこがましいのですが、日本を代表する気持ちで、精一杯のお礼を言葉にしています。
日本から遠いウェールズ・アファンですが、日本のことを本当に「自分の家のお隣さん」のように感じている人が、アファンの谷にはたくさんいることを皆さんの心のどこかに覚えておいてくださると、私もうれしいです。
3月12日
ウェールズ ポートタルボット アファン森林公園ビジターセンターより
(ヒヨ吉)
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ヒヨ吉さん
現在、東京で仕事をする傍ら、アファンの野鳥調査に携わっていただいています。
小学生の頃から野鳥を観察していて、野鳥歴(?)は20年以上。
ニコルの手がけた専門学校の卒業生でもあります。
これまで調査や環境教育などに参画しつつ、野鳥のイラストも描かれていて、
2000年からは英国に留学し、日本では学ぶ場がない「野生生物画」を学んで2003年に帰国。
日本でもイラスト提供や個展など開かれています。
ヒヨドリが大好きなので「ヒヨ吉」。
現在、日英で楽しめる「鳥の本」を製作するために、ウェールズのアファンの森へ出張中。