『ウェールズ、いろとりどり』 その23 ~帰国準備~
国際交流およそ48平方マイルの敷地をもつアファン国立森林公園。
その中を約半年間、ほぼ毎日のように10~20km歩き回って確認した鳥は81種(6月6日現在)にもなり、そのなかで図鑑掲載用に描いたのは、複数回記録できた67種類となりました。
モリフクロウ
Tawny Owl
最後に描いたのは、夜行性の鳥、モリフクロウです。
私のいる宿舎のそばでも夜になると時々声がするので、じっくり観察してから描きたいと森を歩いて探していたのですが、残念ながら早朝の薄暗い森を飛んでいたのを一度見たきり。
タイムリミットがきてしまい、しかたなく飼育個体の基に描きました。
また、残念ながらマダラヒタキもウェールズ・アファンの森では未だに観察ができないままですので、描けていない状況です。
マダラヒタキのいるRSPBの保護区に連れて行ってくれたデービッドさんには、
「さえずりの時期も過ぎていて繁殖期ももう終わっているだろうから、もう可能性はほとんどないよ。ここ数年記録がないのだからもう諦めたら?」
とまで言われる日々ですが、時間の許す限り探し続けたいと思っています。
ただ、帰国の日(6月13日)も迫っているので、日本へ送る荷物の整理もしなくてはなりません。
森での生活でしたので、基本的に持ってきたもの以上は増えていないと思っていたら、大間違いでした。
全部でこんなになってしまいました。
すべてのものを持ち帰ることはできないので、この中から選別するわけですが、どれも思い出の詰まっているものばかりで、なかなか決断が下せません。
これが目下の一番の悩みです。
(ヒヨ吉)
※著作権保護のため、画像の一部加工をしております。ご了承ください。
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ヒヨ吉さん
現在、東京で仕事をする傍ら、アファンの野鳥調査に携わっていただいています。
小学生の頃から野鳥を観察していて、野鳥歴(?)は20年以上。
ニコルの手がけた専門学校の卒業生でもあります。
これまで調査や環境教育などに参画しつつ、野鳥のイラストも描かれていて、
2000年からは英国に留学し、日本では学ぶ場がない「野生生物画」を学んで2003年に帰国。
日本でもイラスト提供や個展など開かれています。
ヒヨドリが大好きなので「ヒヨ吉」。
現在、日英で楽しめる「鳥の本」を製作するために、ウェールズのアファンの森へ出張中。