『ウェールズ、いろとりどり』 その24 ~まだまだ気が抜けません!~
国際交流
ヨーロッパヨタカ
European Nightjar
前回のブログで、すべての鳥を描き終えたとお伝えしたばかりですが、それがもう嘘になってしまいました。
今まで気配がなかった鳥、ヨーロッパヨタカを観察できたのです。
ヨタカの仲間は夜行性で、暗い空を飛びながら蛾など捕える生活をしています。
6月になってからウェールズ・アファンでヨタカの好む蛾がたくさん発生していましたので、ここ数日に越冬地であるアフリカから到着したのでしょう。
前回のブログ更新後、やはりモリフクロウを帰国前に見たいと思って夜の森を歩いていました。
すると「ジュルルルルル…」という連続した細い声が聞こえてきました。
周囲を飛んでいるコウモリの声かな?と思いましたが、虫の声のようにも聞こえます。主がわからないまま、しばらく歩くと前方の木のてっぺんに、なにやら鳥影が。
暗くて色はわかりませんが、その形は日本で見た覚えがあり、ヨタカの仲間であることに気づくまで時間はかかりませんでした。
持っていた図鑑には5種類のヨタカが掲載されていましたが、英国にはヨーロッパヨタカ(全長24-28cm)だけがやってくると書いてあり、種類を特定することもできました。
幸運なことに私のそばを飛ぶ姿も見ることもできました。
以前、黒姫アファンで鳥類調査をした夜にヨタカの声を聞いたことがあります。
厳密には日本のヨタカと今回ウェールズで見たヨタカの種類は違いますが、非常に似ています。
日英両方のアファンに同じ仲間の鳥が同じようにいるのは嬉しいことです。
帰国に向けて荷造りを進めていたので、宿舎に戻ってから慌てて画材を引っ張りだして描いたのが、今回紹介した画像です。
帰国まであと数日ですが、最後の魅力の尽きないウェールズ・アファンです。
(ヒヨ吉)
※著作権保護のため、画像の一部加工をしております。ご了承ください。
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ヒヨ吉さん
現在、東京で仕事をする傍ら、アファンの野鳥調査に携わっていただいています。
小学生の頃から野鳥を観察していて、野鳥歴(?)は20年以上。
ニコルの手がけた専門学校の卒業生でもあります。
これまで調査や環境教育などに参画しつつ、野鳥のイラストも描かれていて、
2000年からは英国に留学し、日本では学ぶ場がない「野生生物画」を学んで2003年に帰国。
日本でもイラスト提供や個展など開かれています。
ヒヨドリが大好きなので「ヒヨ吉」。
現在、日英で楽しめる「鳥の本」を製作するために、ウェールズのアファンの森へ出張中。