新・松木小屋
森の再生
あたらしい松木小屋の屋根に新しい杉皮が張られました。
6月29日にスギの木の皮を水に浸けている話をしましたが、
そのスギ皮が、萱を張っただけの屋根の上にに載せられました。
「これで10年や20年は持つだろう」と松木さん。
一見素朴ですが、美しく耐久性も十分なのです。
そしてこの新・松木小屋の土台は栗の木を使っています。
栗材は耐水性があり腐りにくいので、昔から家を建てるときには
基礎や台所などの水回りには使われていたそうです。
小屋の上側斜面の地中は土壌水分が高く、特に雨が降ると小屋の周りに
水がしみ出してきます。これではスギやカラマツだとすぐ腐ってしまいます。
この栗材、実は松木小屋のすぐ傍らにあったものですが、上の方から枯れてきていました。
松木さんは小屋を新築する時にはこの栗の木を使おうと前から決めていたのだそうです。
この場所に50年以上もの間立ち続けた栗の木です。
10年、20年どころか、もっともっと長い時間に耐えうる事と思います。
新しい小屋の建築は松木さんを中心に4月から進められてきました。
そして、松木さんの小屋建築の話を聞いた人達が力を貸してくれました。
柱など骨組みの材料となる「使える廃材」を無償で提供してくださった方。
近くは地元から、遠くは東京方面から手弁当で貴重な「労働力」を提供してくださった方々。
みなさんの善意で完成することができました。
あらためて、御礼申し上げます。
ほぼ100パーセント「人力」と「自然素材」でつくられた新・松木小屋。
これから多くの人が「お茶」を飲み、松木さん言うところの「一銭の得にもならないけれど楽しい話」
に耳を傾け、松木小屋の時間が刻まれていくのでしょう。
※ニコルさんはこの小屋を「松木さんの茶室」と呼んでいます。
(事務局 堤)