【財団の活動】アファン”心の森”プロジェクト 2010年8月
心の再生8月4日から6日の2泊3日で、アファン”心の森”プロジェクトが行われました。
夏らしい暑い3日間、アファンの森とロッジしらかばに包まれて「大家族の夏休み」を過ごしました。
やって来てくれたのは東京、神奈川、埼玉、千葉、栃木の6つの児童養護施設で暮らす、小4~小6の20人。各学園の職員と共に遠路を参加してくれました。
初日
長野新幹線から信越線に乗り換えて黒姫駅に到着した20人は、バスでアファンの森にやってきました。少しの疲れ、不安、楽しみ、興奮、いろいろな感情がうかがえる子どもたちの表情。
そんな子供たちはアファンの森の入口で松木の大きな手と握手をして森の中へ入ります。
太陽がとても暑く感じる日、森の中は涼しく感じます。
スタッフの顔色をうかがう人、緊張している人、さっそく生き物を見つけて森となじみ始めている人、そんな中「知らない人とペアを組んで絵を描く」というプログラムは、ある人にとっては少ししんどいかもしれません。森で初めて会った人と関わることから始まります。
地元のおばちゃんが作ってくれたおいしいお弁当をたいらげ、この絵を遣ってグループ分けです。
参加者同士で選び選ばれる時間もまた他人事ではいられない時間です。
そうしてできたグループごとに、森へ出かけていきます。
初日は森と人とまずは仲良くなる時間。地元で暮らし森を楽しんでいるスタッフと共に森遊びの始まりです。
職員の方々は子どもたちと別れ、職員チームだけで大人の時間。のんびりアファンの森を散策です。
この日の夕食はこのままアファンの森でとります。
その後、暗くなって昼間とは違う生き物の時間になったアファンの森へも出かけます。
森の中で縦横無尽に遊び始めた男子も口では「大丈夫」と言いながらスタッフのそばを離れません。
今シーズン最後のホタルの光を見たり、森の音に敏感になったり、感覚を開く時間でもあります。
2日目
この日は一日中森で過ごします。
体も心も準備体操が済んでいよいよ本番、となるわけです。その人の本来の姿が出てきます。大きな声、気に行った大人と関わる、ひたすら虫探し、ちょっとしたけんか、…
これはスタッフ達もそうで、気温が高いと見るやここぞとばかりに水遊びを始めます。
最初は濡れないようにと慎重でしたが、ちょっと時間がたつと大人も子供もずぶぬれで笑いあっています。
そんなさまざまなシーンをアファンの森は受け入れてくれている感じがします。
アファンの森へのお返しとして、松木と共に森の作業もしてもらいました。
人数が多いと作業もはかどるもので、予想以上の作業の進み具合で松木も意外だったようです。
夕方宿のロッジしらかばに戻り、ロッジの庭でBBQの夕食です。学園関係なく、スタッフか参加者かも関係なく、同じ時間を過ごします。まぁ、はしゃいで走り回っている男子に一喝入れる場面もあるわけですが、それも大家族の夏休みのようです。
3日目
アファンの森の中で絵を描きます。
そして、描いた絵を見せて周りの人が感じたことを伝え合う時間です。
表現される絵はその人そのもの。いろんな個性が表れてきます。
見せている人たちは恥ずかしそう。でも、まんざらでもない人も多くて、楽しい時間です。
アファンの森での時間を終えて、最後は川遊びです。
夏空の下、30分ほどそぞろ歩いて川遊びの現場へ。
この歩く時間も楽しいもの。何気ない関わりや会話をしながら歩くのですが、毎回とても幸せだなと感じる時間です。
解放して遊び、河原で焼いたトウモロコシと笹ずし、トマトをほおばり、
「こらっ、トマト2個目だろ!」 「トウモロコシおかわり!」 「笹ずしどこ~?」
さながら映画のワンシーンです。
ニコルを交えて全員がこの3日間の感想を分かち合って、各学園へ帰って行きます。
集合写真をとってバスに乗ろうとした時に、ポツ、と雨が。
あわててバスに乗り込んだときには、どしゃ降りに。天気も味方してくれていたようです。
バスの窓からは、元気に手を振ってくれるたくさんの人、そんな中泣いている人も、無言の人も。
バスが見えなくなるまで、スタッフ達も手を振っていました。
日常に帰っても、みんながその人らしい人生を歩んでいることを祈らずにはいられません。
毎回、課題はあります。もっとこうすればよかったことも。
同時にうまくいった実感もあります。
きっと子供たちの心は磨かれていることでしょう。
スタッフ一人ひとりが真摯に向き合って、家族のように過ごせた3日間だと感じました。
協働 日本アムウェイ株式会社 One by Oneこども基金
協力 株式会社インテージ
(事務局 河西)