【財団の活動】震災復興 心の森2012年3月

心の再生

小中学校が春休みの3月28日(水)から30日(金)に、震災復興プロジェクトの一環として、

アファン“心の森”プロジェクトを実施しました。

 

今回参加してくれたのは、飯館村や福島市周辺、会津地方の

福島県の子ども達です。

下は小学1年生、上は中学3年生の13人が、付き添いなく子ども達だけで来てくれました。

 

ご存知の通り、飯館村は計画的避難地域で村外で暮らさざるを得ない状況ですし

他の地域も見えない相手と先の見えない状況の中暮らしています。

(福島県に限ったことではありませんが。)

学校、遊び場所、友達などいろいろなシーンで制約を受け続けていたり…

いやおうなしに決断を迫られている大人を見ていたり…

 

心と体の全部をのびのびと使って開放してもらいたい(写真:管洋介)そんな状況にある子どもたちに、

自分の心と体の全部をのびのびと使って

開放してもらいたい、

本来の自分らしさを手にしてほしい、

という思いで共にすごす時間を楽しみました。

 

 

初日、新幹線を乗り継いで来た子ども達をホテルで向かえて、

まずは絵を描きます。その絵を見せながら自己紹介タイム。

絵には個性が出るので、感覚でその人のことを知るにはいいなと思います。

 

森では主のニコルが出迎え、全員握手を交わして入場(写真:管洋介)すぐに着替えて、アファンの森へ出かけます。

森では主のニコルが出迎え、全員握手を交わして入場。

根明け(木の根元が丸く雪が解けている様子)が見えますが

まだ40cm前後の積雪に覆われたアファンの森へ体ひとつで進んでいきます。

 

 

小雪の降る中、あっという間に森と人と仲良くなる初日が過ぎていきます(写真:管洋介)

もともと雪遊びは身近な子ども達は、

すぐに森となじんで大きな声が聞えてきます。

雪だるまを作ったり、足跡をじっくり眺めたり、

木登りしたり、雪で水切りしたり。

 

小雪の降る中、

あっという間に森と人と仲良くなる初日が過ぎていきます。

 

 

明けて2日目。ピーカン!黒姫山がとても近くに見えるほどのです。

クロスカントリースキーにチャレンジ(写真:管洋介)この日は「歩くスキー」であるクロスカントリースキーにチャレンジです。

気温も上がりすぎず、適度にしまった雪面とスタッフの指導力があいまって、

未経験だった子どもたち全員がどんどん上達していきます。

未経験の大人も負けていません。

 

 

笹寿司とトン汁のお昼を雪面で済ませて、

午後は戸隠神社奥社の森へ出かけました。

神の森へお邪魔してXCスキーツーリングです。

それぞれのペース(写真:管洋介)

冬にだけ会える巨木の森の中を、

それぞれのペースで進み

ひときわ大きなミズナラの木と、

あの杉並木を目指します。

 

地道にマイペースで進む人、

いろんな地形に挑むチャレンジャー、

たくさん転んで「お尻いた~い」といいながら笑っている人

思い通りに行かず悔しさを爆発させている人、

・・・

それぞれのペースです。

 

全員がミズナラに出会い、杉並木に出会い(写真:管洋介)でも、全員がミズナラに出会い、杉並木に出会い

全員が無事に帰ってきて、入り口の鳥居の前でお礼をして

ホテルに戻りました。

 

往復3時間の道のりでした。

朝から7時間、ずっとクロカンしっぱなしです。

子ども達は本当にがんばりました、楽しんでくれました。

 

 

 

戸隠へ向かうバスの出発が少し遅れたとき、

「遊べる時間が限られているから、早く遊びたいんだ」ともらしていた子がいました。

ドキッとしました。

おかれている状況を垣間見た気がしましたし、

この活動に期待していることの高さを感じました。

 

「もう電池が切れる~」、「もうひとつ電池があった~」

「電池切れそうだからやめておこうかな」、「でも楽しそうだからやろう」

最後に到着した小1の2人。

遊びきった一日でした。

 

 

アファンの森で最後のひと遊び(写真:管洋介)最終日、

この日も天気に恵まれ、

アファンの森で最後のひと遊びです。

クロカンチームと雪遊びチームに分かれて、出発です。

 

 

 

雪遊びチームは、

大きなカマクラ、そりのロングコース、ロープのブランコを楽しみました。

 

クロカンチームは、

アップダウンの大きいアファンの森に更なるチャレンジです。

歩き始めは苦労しましたが、次第にペースをつかみ

終えてみればアファンの森を大きく一周していました。

 

ホテルに戻り帰り支度をして、

もう一度、絵を描きます。大人も子どもも関係なく全員が描きます。

絵を描くこともしゃべることと同じ「表現」です。

共に過ごした仲間と絵を通して今の自分を分かち合う時間をすごし、

元気に帰っていきました。

 

 

今回は、この心の森が「日常」だったのかな、と感じています。

いつもなら、心の森は「非日常」の機会で、

だからこそ心に響き、

日常で前進する糧になるのだろうと考えています。

ニコルと語らう(写真:管洋介)

 

しかし、来てくれた子ども達は、

本来なら少なからず自然の中で遊んでいたんだろうと想像できます。

飯館村は、

7割が森林で谷戸や放牧地が広がる自然豊かなところでした。

 

日常を過ごして、非日常の自宅に帰って行った子ども達。 

そう思うとなんとも心が苦しくなります。

 

写真 : 管洋介

 

(黒姫事務局 河西)







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