【財団の活動】”心の森”プロジェクト 2013年3月
心の再生先週の3/28~29に心の森プロジェクトを実施しました。
毎年、この時期に「雪の森」を共に楽しんでいますが、
今回は、初めて視覚障害のある子ども達が雪の森を味わっていただきました。
関東と関西、長野から14人と、3人の親御さんが参加くださいました。
雪のアファンの森で、パートナーと共に散策して春を見つけたり、ソリで盛り上がったり。
木登りや、森での夕食は皆慣れたものです。
ナイトハイクにも出かけました。
2日目は、戸隠神社の奥社参道の周りに広がる神の森にも出かけました。
みるみる雪が解けていたので、「雪がなくなってしまう」とヒヤヒヤしましたが、
冬から春に移り変わりつつあるアファンの森の雰囲気を味わい、
雪の時期にしか出会えない巨木にも接することができました。
体力を多く消耗することが考えられたので、
これまで参加したことのある子ども達を対象にしていましたが、
約束してから数年経っているので、当時小学生だった参加者も中学生、高校生になり、
特に男の子は体格が大きくなり、声変わりもしていたので
その成長ぶりに驚いたり、「だれだっけ?」と戸惑ったり、のスタートでした。
初日、東京からバスで黒姫に入り、昼食と身支度を整えて、さっそくアファンの森へ出かけます。
ニコルとの握手から活動が始まり、雪の残るアファンの森へ進んでいきます。
ときどき 「わぁ」 と声が上がり、膝まで雪に埋もれていたり、コケていたり、そこうしながら雪の森になじんでいきます。
春を見つけながら森の奥へ散策に出かけ、
登れそうな木に登り、
ツルのブランコに揺られ、
森で語らう。。。
そして、ソリでおおいにはしゃぎます。
そのまま森の中のティピーで夕食を取り、日が落ちた夜の森をに再び歩みを進めます。
サウンドシェルターでは、森の主であるニコルが焚き火と共に参加者を迎えました。
火を囲みながら、改めて森の良さ、価値について分かち合いました。
ある一人は、
「森はヒトの原点であり終着点だと思う」
と。
人の手で守られ、雪の積もっている時期にだけ歩ける神の森です。
雪が深いので、スノーシューを履いて出かけます。
通常、パートナーは参加者と腕を組んでエスコート(アテンド)しますが、
ここでは、半日ずっと自分一人で歩いている参加者もおりました。
戸隠太郎に出会い、隋神門とあのスギ並木に触れ、
最後は全員でご神体である戸隠山に頭を下げて、戻ってきました。
「雪の森も来たい!」と言う子ども達の思いを受けて、「わかった、必ず実施するよ」と約束しました。
心の森では社交辞令のようなコミュニケーションはしていません。子ども達との約束は大事なこととして扱い、小さなことでも必ず果たしてきました。そうは言うものの、計画を上手に変更すれば実施できるだろう、という頭があったので約束できたわけですが。。。
準備を進め、2011年3月に実施できることになりましたが、大震災発生のためやむなく中止に。
その後も、東松島市の方々を招いての活動も加わり、心の森プロジェクトも大きく影響を受け、計画そのものが立てられるかどうかも分からない状態になってしまいました。
「信頼できる大人達が、森で共に生きている。」
そんなメッセージも伝えたかったので、計画しなおし今回ようやく実施できたのです。
約束してから5年が経っていました。
手前味噌な表現で大変恐縮です。
関わっていただいているスタッフは、参加者の人生の一端にかかわっていることを理解いただいており、いつも真剣に向き合って頂いています。
5年がたち、こちらが戸惑うぐらいそれぞれに成長した参加者を迎えての2日間は、
いつもながら、とても楽しく、感じるところの大きい機会でした。
写真 : 管洋介、ショウ
(黒姫事務局 河西)