【ウェールズ便り】2007年の終わりに思った事
事務局日記 ウェールズのアファン森林公園では11月半ばからクリスマスまでの5、6週間、レンジャー達が切り出した木をXマスツリーとして販売します。木は保護ネットを被されて駐車場の臨時ショップに並ぶのですが、親子連れ、カップル、老夫婦達に買われてショップもやがて空になります。この売り上げはすべてアファン森林公園の運営費となります。初冬の雨風にも負けずに作業に励むレンジャー達のご苦労が、こうやって再びアファンの山に還って行くのです。
年末年始は近況を確かめ合うには良い機会ですね。私は仏教徒、Xマスは宗教的には意味が無いのですが、春を待つ喜びには共感しますし、キリスト教文化へ居住している事には感謝していますので、敬意を持ってこの西洋の行事を過ごすことにしています。
97年年末、アファンの山の麓ニースの町へニコルさんの叔母さまグエンさんを訪ねました。小柄で銀髪。当時70代後半でいらしたのですが、そこいらでチンタラグータラしているワカモンなど寄りつけないほどの頭脳明晰な方でした。訪問時は夕方だったので、キュウリ、ハムのサンドイッチをパッパッパッとこさえて、花柄のマグカップに濃いミルクティを入れてくださいました。英国では夕方のお腹がすく時間にいただく軽食をティと呼びます。薄切り白パンの典型的なティは、A・クリスティの小説で読んだことがありましたから、この時しみじみと英国暮らしを実感したものです。
あれから10年。グエンさんはご健在、今年もクリスマスカードが届きました。そして2つのアファンの森は今や姉妹です。変わらない事に安心してみたり、変化を果敢に受け入れてみたり、こうやって歳を重ねていくのだな、と思います。良いお年をお迎えください。
(な)