【ウェールズ便り】窓の外を眺めながら思ったこと;黄水仙

事務局日記

 あちこちで黄色いラッパ水仙が咲いています。
 ワーズワースの詩にも詠われるこの花は英国の春を告げる花です。群生して一斉に咲き誇る姿は可憐にして艶やか、このラッパ黄水仙はウエールズの国花でもあります。これは、ウエールズの守護聖人のセント・デヴィッドの誕生日が6世紀の3月1日、この頃から咲き誇る事に由来しました。
 98年のバレンタインデイ、咲き誇る水仙の脇を歩きながら「水仙が2週間も早く咲くようではこの先の温暖化は深刻。もう猶予はないよ」と主人が真顔で語っていたのを覚えています。あれから10年後のこの2月の頭、気の早い一部の水仙ならもう開花するほど一気呵成に温暖化が進みました。
 
 今年のG8のテーマの一つは「環境」。
 日本のメディアは(私自身メディアに関わる立場なのですが)、極地での氷解の様子や海面の上昇など、諸外国の事情を声高に取り上げて啓蒙していますが、映像ならではのドラマティックな要素に拘りすぎて、却って危機感だけを煽られているような感じがしてなりません。
 かたや英国。危機感を伝える時点はもう通り過ぎて、専ら実践が報道されます昨日のBBCニュースでは、橋げたにタービンを設置した波力タービンがウエールズに出現して早速6千戸への電力供給をはじめたことを報道しました。アフリカの旧鉄道の材木を使っての家具造り、藁束を固めて天然素材の家を造る人、エコ考慮の集団住宅作りとその住民による駅までの電気共同カー使用などなど。

 自然界に何が起こっているかを知る必要がありますが、私たちが緊急に見たり知ったりするべき事は、「この時点で我々が出来る事やしなければいけない事」、諸外国での市民の対応や知恵など、地に付いた実践情報ではないでしょうか。
(奈)

カテゴリー
月別アーカイブ
サイト内検索
タグ