ウェールズ訪問 その2

事務局日記

【2月15日 つづき】
車での移動中、窓からはウメやサクラが植えられていて、見ごろになっていました。
地面はラッパスイセン(ウェールズの花)もたくさん咲いています。
「ウェールズ便り」にもあるように、タイミングは早いようです。

小一時間すると、レンガ造り町並みが目に入ります。赤茶色の壁に灰色の屋根、広い家は敷地をレンガの壁が覆い、木でできた立派な扉がありました。レンガにはコケがたくさんついていたり、少し傾いていたりする部分もあり、歴史を感じさせます。ソニング独特の風景で、こうした歴史ある家にすんでいるのは少しお金に余裕がある人たちなんだそうです。

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やがてホテルに到着。川沿いのとても雰囲気があります。アンティークの家具がごく普通に使われていて、ホールには暖炉があり、暖かい火が迎えてくれました。白い壁にはたくさん絵が飾られていて、少し狭い廊下と階段を行くと部屋がありました。

 

 

 

 

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一息ついてホールに下りると、暖炉で鳥が焼かれています。
理事に就任いただいたアリスター・ドライバーご夫妻も到着され、一緒に夕食をとりました。
このホテルから見えるテムズ川にもカワウソがもどってきたこと、ロンドン市内では車に引かれたカワウソの死体も確認され複雑な心境になったこと、外来種のアメリカザリガニが入り、それを捕獲する密猟者のわなにカワウソが掛かってしまい命を落としている、など話してくださいました。カワウソをテムズ川に戻すことを夢描いて「川の再生」に20年以上取り組んできたアリスターさんのエネルギーの高さに触れた時間でした。

 

【2月16日】

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朝食後、少しホテルのそばを歩いてみました。
川にはコンクリートは見えず、大小の柳が川際に生えていてます。緩やかに蛇行し、流れも緩やかなように感じました。シジュウカラガンやマガン、カラ類やヒワ類など12種ほどの鳥が観察できたのと同時に、レガッタの練習をしている人もいました。
近年洪水が多発していて、この場所も最近大水が出たとか。それでも人の暮らしと川の距離がとても近いことが伺えました。

午前中はアリスターさんのお宅にお邪魔して、打ち合わせです。
写真を見ながら、大きく3つの川の再生の実績をご紹介いただきました。
ビオトープネットワークの考え方、哺乳類を再生の指標にしていること、
そして、実際に川に手を入れるまでに(政府の説得などで)とても長い時間が掛かっていること、
莫大なお金をかけて大きな再生事業を展開し、生き物がもどってきていることが伺えました。

川の再生の第一人者でありながら、ご夫妻ともどもとても気さくで、
窓からアカトビが飛んでいると、外に連れ出してくれたり、
ユリ・ゲラー(近くに住んでいるのだそうです)の曲げたサイン入りのスプーンを
「すごいよねぇ」と言って見せてくれたり、アットホームな時間でした。
土日はきっちり自分達の時間を過ごしていることも見習うことだな、と感じました。

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アリスターさんと別れ、いよいよウェールズに向かいます。
高速道路(通行料は無料)の左右に広がる風景は「丘」でした。
どこまでも続く丘に生垣が走り、たまに馬が草を食んでいる。
ポツリポツリと見える家は石造りの白い壁。
久し振りに地平線を見ました。
 
高速道路ののり面にコンクリートは見えませんでした。
日本よりも斜度はゆるく、赤っぽい土に木が植えられていて、
シラカバ、ヤナギ、アカマツ、カラマツ、トウヒ?、オーク、
など信濃町で見るような木々が生えているように見えました。
ハリエニシダの黄色い花が印象的でした。

大きな川に掛かる約6kmの橋を越えるとウェールズです。
ウェールズに入ると少しづつ周りの風景が変わってきました。

つづく。。。 (か)

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