ウェールズ訪問 その4

事務局日記

【2月17日】
今日の午前中はアファン森林公園へ出かけます。

森林公園までの道のりは、どこか日本の谷間の村に入っていくような風景です。カラマツやトウヒの仲間、シラカバなどの広葉樹もありました。ただ、レンガや石造りの家を見るとやはりウェールズだなぁと感じます。

R0013230.jpg駐車場に到着すると、マウンテンバイカーがたくさんおりました。本格的なMTBをメンテナンスしている人から、家族4人でサイクリング感覚でやってきている人もいます。
このアファン森林公園のMTBコースは英国でも屈指のコースで、いつかはこのコースを走りたい、とあこがれている人がとても多いのだそうです。

 

 

 

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いきなり日本ではあまり見られない森との接し方を見せつけられ、規模の違いを感じながらビジターセンターへ向かうと、シニアレンジャーのワグスタッフさんが迎えてくれました。姉妹森締結式の写真で中央に写っているあの方です。思わず「本物だぁ」と声が出てしまいました。とてもフレンドリーに迎えてくれたことに感激し、興奮してしまいました。

 

 

 

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ふと周りを見ると大きな1本の木があります。広葉樹。木の肌や枝の感じは見たことがあるようなないような…。近寄って足元を見ると一面に実の殻が落っこちていました。ブナです。といっても日本のブナとは少し違う感じもしますが、日本の広葉樹の代表種に会えて、また感激してしまいました。この感激も後にさめるのですが…。幹の太さは二抱えぐらいあるでしょうか、立派な樹でした。

 

 

 

 

 

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鳥の声もとても賑やかです。確かに天気がよい日でした。朝10:00頃です。信濃町だったら、賑やかな時間が一段落するような時間帯ですが、ここでは一行におさまる様子はありません。種類も個体数も信濃町の2倍ぐらいいるのではないかと思います。
そして、人との距離が近い! 手を伸ばせばつかめるような距離を行ったりきたりしています。まるで人間のことなんかお構いなしのようでした。声を頼りにその姿を双眼鏡で探して見つけることを宝探しのように楽しんでいる私としては、双眼鏡無しにこれだけ見れると、ちょっとやる気をなくしてしまう感覚もあります。

ビジターセンターのカフェで紅茶とビスケットをいただいた後、森の円形劇場とカンジウッドを案内いただきました。
ちょうど谷の出口に作られた円形劇場では、中学生が小学生を招いて「いじめはダメ」という劇を披露したりしています。大きくはありませんが、これまた日本では見たことのないものでした。

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写真でしか見たことのなかったカンジウッドは、森というよりもメモリアル庭園という感じでした。カラマツ、スコットランドのマツ、トウヒ類、コブシ類、サクラ類、ハンノキ類、イングリッシュオーク、などが人の手で庭のように植えられていました。人、生、森、というモニュメントも本物です。終始「写真と一緒だ?」と感激していました。
このカンジウッドを囲む生垣があります。さすが英国と近づいてみると、なんとブナです。ブナが生垣に使われていました。まるでヤブ木のように密接して植えられており、決められた高さと幅で剪定されていました。
驚きでした。
日本では極相林の代表種であるブナが、境界として密生させられてしており、まるでスポーツ刈りのように刈られているのです。話によると、ごく普通に生える主なのだとか。


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次の予定もあるのでセンターへもどり、昼食をご馳走になりつつ、私は鳥の図鑑やセルフガイドのようなグッズを購入していました。そんな私にワグスタッフさんが近づいて来て名刺を差し出してくれました。それも日本語の名刺です。英国には名刺交換の習慣があるか分かりませんが、感激して名刺交換をしをました。こうしてあっという間のアファン森林公園訪問の時間が終わりました。次回来る機会があれば、もっと時間をかけて奥の方まで出かけて見たいと思います。それこそ、移動手段はMTBがよいのかもしれません。

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日本と同じように、年間たくさんの小中学生がやってくるようです。ビジターセンターのおくには作業部屋があり、子ども達が製作した作品なども飾っていました。見慣れていない正かもしれませんが、芸術性が豊かなように感じます。こちらでは、自然と芸術を一緒に扱っているのだそうです。環境学習、美術などと切り離さずに教育していることが心掛けられているのだとか。よく考えてみるとニコルの口から「美的センス」という言葉をよく聞きますし、見せてもらった円形劇場もうまいこと自然の谷地形にはめ込んである感じもします。センターやトイレ、案内看板なども自然とマッチしたカッコイイなぁと感じます。うまく言えませんがこのあたりのセンスは日本には少ないのかな、と感じました。「ガーデニング」のさかんな英国なので、人の手をこれでもか、というぐらい入れて森とはほど遠いものになることもあるらしいですが…。
 
 
後ろ髪を引かれながらアファンを後にし、西ウェールズへ向かいます。車の中で購入した鳥の図鑑を見ようと開いてみて「あっ…」。書いていることがまったくわかりません。英語がダメといっても、英語で書かれていることはある程度はわかります。この図鑑はウェールズ語で書かれていました。

ウェールズには二つの公用語があります。英語とウェールズ語です。アファンの看板をよく見てください。上下に文字が書かれていますが、下は英語だということがわかりますね。上がウェールズ語です。母音の数も違うようで、どう発音するかもわかりません。学校では二つの言葉で教えられているそうで、大人よりも子供の方がバイリンガル率が高いようです。
それにしても、この図鑑は失敗しました。いい記念にはなるのですが…

つづく。。。(か)

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