ウェールズ訪問 その7

事務局日記

【2月19日】
今日最初の訪問先は「コッホ城」という小さなお城です。

 到着して思わず「おぉ?」と声が出ました。ここはよい風景でしたね。
広葉樹の森が広がっていて、その中に小さなお城があるんです。

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 もともとはカーディフ城の出城でしたが、その後ビュート爵が崩れたこの城を復元して別荘にしたようです。今から100年ほど前のこと。この場所は猟場にしていて、ハンティングに出かけてきたときにこの別荘に泊まったようです。

 
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 考えてみれば広葉樹が広がっている場所へ出かけるのは今日が初めてなので、かゆいところに手が届いたという感覚がありました。広葉樹の森に、石造りのどっしりとしたお城がたたずんでいる風景は日本では目にすることはできないものでしょう。これが英国貴族の猟場なんですね。
今は観光名所だけでなく、森に触れる地元の人々もやってくるようです。この日も幼稚園の子ども達がやってきていました。

 この森は、どうやら城の復元の時に植樹をしたようなのです。目的は定かではありませんが森を育てようとしていたことは確かで、未来を描いていたかと想像すると「へ?」という声も漏れます。ブナの仲間やアカマツに似た樹、その他日本の落葉広葉樹林とさほど変わらない風景でした。さらに「ここはギョウジャニンニクがいっぱい出るんだよ」と。チェックをしてみると…、ありました。まだ土から顔を出したばかりでしたが、あの香は漂わせていました。

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 お城の中はというと、実に手が込んであります。石の使い方、壁の装飾、ベットなどの家具、どれもこだわりの一品という感じがします。2Fの洗面台にお湯が出るような設備もありました。
私がイメージする「お金持ちの別荘」の範囲を超えないような規模なので(多少麻痺している感はありますが…)、生活のイメージがつきやすいので、ガイドの方に説明してもらうと、もっと様々なことがわかりそうな感覚ありです。復元の着工するまでに多くの時間を割いて調査をしたようですし、何を考えてどんな調査をしたのか、などの話も聞きたいと思いました。

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 続いては、ウェールズ民族博物館です。コッホ城で貴族の贅沢さは味わったので、今度は庶民の生活の移り変わりを見てみましょう、ということです。

 ここも楽しかったですね。屋外にいろんな時代の建物が復元されている野外展示型ミュージアムで、ニコルさんも「僕が子供の頃の郵便局はこれそのもの、なつかしぃ」と言っていました。藁葺屋根の時代もありました。しかし、壁は土や石で私からすれば違和感があります。このように各年代ごとの住宅や金物屋さん、パン屋さん、農家、など様々な建物にガイドの方が一人づつついていていろいろ説明してくれました。「この家で私が暮らさねばならなくなった…」とイメージすると、これはどう使うんだ?など細かいところにも目が行き楽しめます。また、いろいろな生垣も見れました。

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 パブでマトンカレーをほおばった後、ワイナリーへ。樹林、草原に羊、ブドウ畑が広がる場所にありました。レストランでは地元のオーガニック食材を使った料理が楽しめるとのこと。比較的名のあるシェフが作る料理はとても美味しいらしいのですが、今回は試食はせずに打ち合わせのみでした。本ツアーが楽しみです。
 ここにはウッドパス(樹林を散策する小道)やブドウ畑の周りを散策するパスがあり、散策ができるようになっています。これが英国らしい。ひとまわりしてきました。樹林はブナとオークが主体で低木にはヒイラギが目立ちます。ハンノキ、シラカバなども混じっています。ちょっとヤブになりかけという感じで手を入れればいいのに…と感じながら進むと池があり、マガモのペアが浮かんでいました。相変わらず鳥は多く距離も近い感じがします。ブドウ畑の方にはミツバチの巣箱もありました。

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 今日の宿はイングランドです。最後の晩ということでマナーハウスに宿泊しました。
迷うぐらいの広くて、様々な装飾のある館内にはアンティーク家具や調度品ががたくさん置かれています。物によっては手を触れてはいけないものもありました。いちいち見ていたらキリがなく、これまでいろいろな豪華なものも見てきたので初日ほどの驚きも薄れた感はあるものの、それを差し引いても贅沢な空間で贅沢な夜を過ごさせていただきました。案の定、夕食はスターターとメインでお腹いっぱいとなり、デザートには手が出ませんでした。

 
 
 今日のコッホ城と民族博物館は、ウェールズの上流階級と庶民の実際の暮らしぶりが肌で感じれたようで充実した一日でした。昨日のウェールズ人に流れる魂の部分は頭で理解しようとするのではなく感じることでわかる感覚がありましたが、今日は実際に目で見て理解できたように思っています。「へ?」、「なるほど」という言葉を一番使った日ではないかと思います。 (か) 

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