英国での日々 その5

事務局日記

【6月13日つづき】
ボートトリップはのんびり周りの景色を楽しめる時間にもなったので、ホッとした時間にもなりました。ホテルに戻り昼食をとった後、バスでウェットランドセンターへ向かいます。

SANY0329.jpgもともとコンクリートの大きな(約43ha)貯水場だった場所を、コンクリートをはがして湿地環境へ再生し、野生動物が再び暮らせる環境へ戻したと同時に、世界中の水鳥の生態紹介と絶滅危惧種の保護を意図したエリアが作られています。自然な湿地帯の状態を造り上げるために植物は30万株以上、木だけでも約3万本が植えられたそうです。

 

 

 

 

HPはこちら ⇒ http://www.wwt.org.uk/centre/119/london_wetland_centre.html

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入場してすぐの建物は壁一面ガラス張りで、ガラスの向こうはウェットランドの中央部が広く見渡せ、概要がつかめるようになっています。ここからパス(散策道)は左右に分かれます。まずは右へ。
道の左右には再生された湿原が広がり、そのことを解説する案内板もあります。やがて野鳥観察舎(Hide)が出てきます。静かに中に入ると、小窓から観察している人がいっぱいでした。アリスターさんからは、少しづつ違う環境を造成したんです、と実際に違う場所を示していただきながら解説いただきました。

 

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ここは、環境学習の場所としてもたくさん使われているようで、この日も中学生?水たまりに網を入れてすくってはバットにあけて、小さな生き物を観察していました。私達もちょっとお邪魔して観察。。。
戻って反対側へも行きました。こちらは”World Wetland”という世界中の水環境を再現して水鳥を保存しているエリアがあります。シベリア、アフリカ、などエリアごとに環境が再現されていて、その地方の水鳥がいます。いわば水鳥の動物園といったところです。東アジアもあり、日本で目にする水鳥がたくさんいました。
お目にかかったことのないような水鳥がゴロゴロいます。世界的に希少な種も、ニコルがアリスターさんのお父さんであるピーター・ドライバーさんのアシスタントとして調査をしていたケワタガモ(北極圏に生息)もいました。北極へ出かけるきっかけになった鳥ですね。

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アリスターさん結構足が速く、すたすた歩いていきます。それについていっている皆さんもすごい。普段から散策をしている方も多いのだな、と感じます。
足早でしたがウェットランドを離れ、ジュビリー川へ向かいました。

SANY0369.jpgごく簡単に言ってしまえば、水害対策改善のために英国環境庁が手がけた”川のバイパス”がジュビリー川です。アリスターさんが中心となり、17年かけて完遂させたものです。
ウェットランドセンターは人を招きいれることも方針の一つでしたが、こちらは人を招くことは重きを置かなかったとのこと。それでも、川沿いにはパスが作られていて、所々には親水スペースがありました。夕方で少し肌寒い時間でしたが、散歩している方もいたり、馬にのって行き来している人も多いのだとか。地面にはひづめのあとがありました。

 

 

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このジュビリー川でも、アリスターさんはすたすた行きます。ときより解説を入れながら。向かうは道の先に見える丘でした。ヒバリが空高くなく下を丘の上まで上ると、向こうにウィンザー城が見えました。眼下にはジュビリー川が広く見渡せます。日本では見れない風景ですね。
丘の上にはジュビリー川の記念碑があり、エリザベス女王の次男アンドリュー王子の名が刻まれていました。アンドリュー王子が実際に足を運んだ時、案内をしたのがアリスターさんだったのだそうです。

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アリスターさんは日本で言うなら環境省局長クラスのキャリアです。そんな方が、ポロシャツ一枚とデイバックを背負ってMTBで駆けつけ、首から双眼鏡をぶら下げながら、全体の説明の合間に聴こえて来たさえずりから種を特定していました。Red Kite(アカトビ)が飛んでいれば、環境が良くなっている指標になるんだと生態を解説してくれたり、岸際にある樹を端から解説していたり、とフィールドワークの経験が豊富であることが想像できました。

比べてもしょうがないのですが、日本の環境省のキャリアの方が、これだけ現場で生き物のことを見てきているだろうか?と思ってしまいました。同時に、今の私もオフィスワークが大半を占め、どれだけアファン森に出かけ、生き物をおもしろがっているだろうか、と自戒の念があふれてきました。
 
 
夕食は皆さんでレストランへ。
アリスター&ベリンダご夫妻も一緒です。今晩がニコルさんとの最後の夕食にもなります。コーディネーターのクリスチャン&奈都世さんの粋なはからいで、小さな国旗やラブスプーンのチョコレートなどウェールズにちなんだ様々な景品が当たるくじ引きも行なわれ、楽しい時間となりました。各テーブルごとにニコルがご挨拶申し上げ、昨日今日と内容ぎっしりだった「自然の日」は終わりました。
今日も満腹です。
(か)

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