【ウェールズ便り】夏の終わりの電話

事務局日記

お久しぶりです。6月に旅行準備に入って以来その後、大変にご無沙汰しておりました。
ツアー中には大変にお世話になりました。この間、財団(か)さんの訪問日記や、参加された方の手記など楽しく懐かしく読ませていただきました。最近は、カーディフ城やベイエリアに行きますと、ツアーメンバーの皆さんが歩いておられる姿が見えてくるような気がしまして、懐かしいお顔の一つ一つが思い出されます。あんなお話もしたなあ、こんな事をお聞かせいただいたなあ、、とかとか。こういうご縁をいただきまして、本当に有難うございました。良き思い出となりました。
 
さて短い英国の夏、日本の皆さんが熱帯夜に苦しんでおられた時分には、こちらではもうウールのジャケットを羽織るような気候に突入し、8月末現在では、風のある日にはともすればツイードの上着を着込む時もあるほどです。そんな夏が羨ましいという声もきこえましたが、ギラギラの太陽も無いしさほどの汗もかかず、よってスイカも特に欲しくないという真夏もこれはこれで物足らないもので、今年も、いささかもの寂しい英国の夏でした。
 
夏も終わった、と窓から見える飛行機雲を眺めていたら、アファンのシニアレンジャーのリチャードから電話がありました。いつもの大声をガンガンと響かせながら「ツアーで植樹された40本の木は、元気に一本も枯れずに夏を過ごしたぞ」と。夏の植樹というのはコンディションが良いとは云い難いのと、6月の降水量が少なかったので気にはなっていたので、「よくがんばったね」と思わず言葉にでました。リチャードは「今年は7月と8月に雨が十分に降ったので、森にたくさん食べ物がある。よって、新しく植えた木を鹿が食べに表にまで出て来ることはないのである」と、更に大声が響きます。それでも予定通り、営林署の地域マネージャーのティムさんと一緒に鹿よけの金具を取り付けて万全をはかるそうです。
 
植えた木が大地に根下ろし育つのはごく当然である、、、などと思いがちなのですが、木そのもののコンディションや土壌の傾向、植樹後の気候などの様々な条件のなかで、生き延びていくものは根付くし、そうでないものは淘汰されていく、、、これが自然というものでもあることを、私たちはつい忘れてしまう時があります。また、植樹後の養生も公園側にお任せして来ているわけですが、様々な方から色々と手をかけていただいていることにも新たに気がつかされました。時同じく、アファンの森財団の今年度の報告書を拝見しながら、森の手入れを始め、実にたくさんの活動をして年々直実に森を豊にしておられることを知りえて「ローマは一日にして成らず」の言葉が頭に浮かんだ夏の終わりでした。
 
ところで、姉妹森締結を記念して2003年、アファン森林公園ではカンジウッドという素敵な森林広場が造成されました。「人、森、生」の3文字が巧みに自然素材でデザインされているのですが、この内の森の字の一部分に植え込まれた丸太の水はけが悪くて、残念なことに腐食が始まったそうで、リチャードの電話は、何か良い代替の素材があれば知恵を借りたいとの連絡でもありました。財団会員の皆さんにもデザイン参加していただく良い機会となりますので、この場をお借りして、皆さんのご意見やお知恵をどんな形ででも拝借できれば幸いです。周囲の調和を考えて、丈の低い物が望ましいようです。いかがでしょうか。
(奈)

DSC01826.jpg写真1 カンジウッド 森の部分;丸太の危機!
 
造成を急いだので水はけが悪く(水の上に木が立った状態なのだそうです)キノコがはびこり腐食の一途であるとのこと。

 

 

 

 

DSC01865.jpg写真2 参考までに森の他の部分のデザインを添えておきます。

 

 

 

 

 

 

DSC01889.jpg写真3 木洩れ陽が美しいカンジウッド

 

 

 

 

 

 

 

写真 C・ルイスサール

 

 

 

 

 

 

 

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