3月9日の森の様子です。雪はまだありますが、森は冬から春への移行期間です
3月の森の地面はところどころ穴が開いたように雪解けが始まっています。雪は水のある水路や湿地、木の周りからとけていきます。そして空からは小鳥のさえずりがすでに聞こえてきています。冬の小鳥たちは主にシジュウカラなどのカラ類が種類を超えて「混群」と呼ばれる群れを作るのですが、この日は、混群でありながら春のコーラスをしていました。鳥たちもいわゆる婚活の季節に入ったようです。ペアが決まれば群れを離れて巣作りをはじめるのでしょうか。
水路に架かる橋です。日差しの関係でしょうか、片側だけたくさん雪が溶けているのがわかります。
11月末に泥をかき出した弥生池ですが、現在も泥を固めるために水を抜いた状態です。
雪の上に細かいものが落ちていました。よく見ると冬芽の皮のようです。鳥がふくらんできた冬芽をついばんだものでしょうか。そういえばこないだヒヨ吉さんが撮って送って頂いた写真のウソは何かくわえていました。これかもしれませんね。
雪が解けた地面にはコロコロしたうさぎのふんが転がっていました。わずかに生えてきている緑を探して雪が解けた地面から地面へ移動しているのでしょう。
この時期は人だけではなく動物たちも食べ物を求めて春探しをしているようです。
小川にはネズミが食べたあとのクルミの殻が転がっていました。冬の間、雪が溶けて空間ができやすい小川の脇で、蓄えていたクルミをかじっていたノネズミの姿が思い浮かぶようですね。
杉林を歩くとカケスの羽根がおちていました。
まだまだ雪と枯葉色のモノトーンの森なので鮮やかな色は目を引きます。
カケス自体はカラスの仲間でさほど派手な鳥という印象はないのですが、羽の一部分に入っているこの青い色はやはり拾って持って帰りたくなります。
動物たちは冬の森でも活動を続けていますが、植物たちはどうしているでしょう。これはつる草の種がぶら下がっているものです。枯れてはいますが、ドライフラワーのようで冬の森の素敵なインテリアになっています。
緑を探すとありました。雪の上に島のようにふさふさしたコケが顔を出しています。
やはり緑を見つけると安心しますね。
これは地面ではなく、太い枝を切ったあとです。根元から2つに分かれていた木の片方を伐って、もう片方の木を太く育てようとアファンの森を整備した初期に松木さんが伐ったものでしょう。この木は今は人が二人で抱えるほど大きな木に育っています。コケやキノコ、上の方にはスミレの葉まで出ています。木が大きくなるにつれて周りが盛り上がって、この木が巨木になる頃には切断面は飲み込まれて木の中に入ってしまいますが、それはまだ何十年も先の話でしょうね。
雪が解けたところからフキノトウが顔を出しています。これこそ間違いなく春のしるし。加えて春の恵みですね。3月いっぱいはまだ雪がありますが、森の住人は春の活動を始めています。