U字溝の災難
事務局日記梅雨らしく雨の日が続いています。
ここ数年雨の降り方が変わり、短時間で局所的に大量の雨が降るという現象が起きています。
手入れの滞ったスギやヒノキの一斉林を抱える中山間地域では、鉄砲水や土砂崩れなどの大きな被害が毎年のように発生しています。
被害のあった河川では修復工事が行われますが、目にするのはコンクリート護岸とU字溝。
先日アファンの森と国有林との境界を流れる農業用水路沿いに歩いていた時のこと。
足元から何かが跳んで「 ポチャリ 」と水の中に落ちた音がしました。
用水路をのぞくと、きみどり色の背中と白い腹が鮮やかなアマガエルが流されています。
「かっぱの川流れ」は聞いたことあるけど、「カエルの川流れ」はなあ?などとのんきな事を考えている間にアマガエルは必死にもがきながらどんどん遠くに流されています。
助けようと思い慌てて追いかけましたが雨の多いこの時期、水の勢いもかなりのもので流れが速く追いつきません。ましてやここは「U字溝」のウオータースライダーです。
あっという間にアマガエルは流されて見えなくなってしいました。
しばらく歩いているとまた「 ポチャリ 」。
さっきと同じような水音がしました。
「ドサッ、ドサッ」と長靴をはいた男が二人向かってくるので驚いて、さっきと同様ジャンプ
した拍子に用水路に落ちてしまったというわけです。
この用水路では昨年春にタヌキの子供が落ちて這いあがれずに死んでいました。
やはり3面コンクリート張りになっているところでした。
また慌てて流される方向に向かって追いかけていくと、今度 はヤマアカガエル。
用水路の補強のためものなのか、コンクリートで一段高くなった所があり、
ヤマアカガエルはそこに這い上がり、なんとか留まっていました。
ほっとしましたが、動けばまたすぐに流されてしまいます。
しかし、下流を見るとU字溝は無く、土がむき出しなので流れに変化があり、
陸に這い上がれそうな所がいくらでもありそうです。
「よかった」
そう思ってまた歩き出しました。
(事務局 堤)