『アファンの森、いろとりどり』 ~ゴジュウカラ~ (2009年11月)

事務局日記

ゴジュウカラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴジュウカラ
Nuthatch

 

 

 

アファンの森を一年中すみかにしている鳥はたくさんいますが、彼らが一番活発に行動するのは秋のように感じます。

子育てに費やした体力の快復と冬越し用の蓄えを同時に行っているのでしょう。「生きる」という目標を達成するため、秋の実りをひと粒でも多く得るために森の中を普段以上に飛び回っているように、私の目には映ります。

 

11月の調査では、そのなかでも私にはゴジュウカラがよく目立ったように感じました。

スズメくらいの大きさで、尾羽が短く、体がふっくらしているので、とてもかわいらしい姿をしています。また、頭から背中の灰色みを帯びた青色と目にスッと入った黒い線、お腹にオレンジ色という配色で、私はとてもオシャレな着こなしをしているなぁと出会う度に感じます。

 

アファンの森では、太めの枝や樹の幹をくまなく歩き回っている姿がよく見られますが、その歩き方は、頭を下にした「逆さま」の状態で降りるなど、まるで忍者のようです。ただし、忍者のようにしずかではなく、動くときにはパリパリと爪が木の皮にひっかかる音がします。

キツツキやシジュウカラなど樹木の幹で餌探しをする鳥はほかにもいますが、木を「逆さま」に移動できるのはゴジュウカラだけ。観察していると、軽い身のこなしで簡単にやっているように見えてしまいます。

でも、以前、私が木に登っていたときにちょっとバランスが崩れて体が斜めになったら、木につかまることに必死で何もできなくなってしまいましたから、彼らの平衡感覚と足指の強さは人に換算したらきっととてつもない数字になるのでしょう。

また、樹皮の下や倒木の隙間に木の実を隠したりして、あとで食べている行動を観察することも多く、とても頭のいい鳥だと感心している私です。

 

アファンの森に通うようになってもうすぐ一年です。これからも鳥達のひたむきな命の輝きに会えるように、謙虚な気持ちで 「通森(つうしん)」していきたいと思います。

(ヒヨ吉)

 

…………..

ヒヨ吉さん

現在、東京で仕事をする傍ら、アファンの野鳥調査に携わっていただいています。
小学生の頃から野鳥を観察していて、野鳥歴(?)は20年以上。
ニコルの手がけた専門学校の卒業生でもあります。
これまで調査や環境教育などに参画しつつ、野鳥のイラストも描かれていて、
2000年からは英国に留学し、日本では学ぶ場がない「野生生物画」を学んで2003年に帰国。
日本でもイラスト提供や個展など開かれています。
ヒヨドリが大好きなので「ヒヨ吉」。

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