この写真、何でしょうか?
黒いビニールひものような物に、細かい傷がたくさんついていますが...
昨日アファンの森に設置しているフクロウ用の巣箱に、ビデオカメラを取り付けました。
フクロウの生態を調べようという試みのためです。
この作業の中心となったのは、この森でフクロウなどの猛禽類や
ネズミの調査を行っている川崎公夫さんです。
アファンの森のは樹齢が50~60年くらいで、まだまだフクロウがゆったりと
営巣できるような大きな洞のある立派な木はありません。
以前、シラカンバにできた小さな洞を使ってフクロウが子育てしましたが、
狭いため卵を温める親フクロウの尾羽がいつも洞からはみ出していました。
なんとも愛らしく、また気の毒でもあり、見るたびに複雑な気持ちになりました。
無事にフクロウのこどもは巣立ちましたが、もっと良い環境で子育てができるようにと
大きな巣箱をかけたのです。
昨年はこの巣箱から2羽のフクロウが巣立ちました。
今年もこの巣箱を使ってくれるといいのですが...。
ビデオカメラのモニターは300メートルほど離れた森の入り口のゲストハウスにあります。
カメラの映像はケーブルを介してモニターへと送られます。
以前つかっていたケーブルが断線し、ビデオカメラの映像が送られてこなくなってたので
この日断線したケーブルを新しい物に交換する作業もおこないました。
ケーブルの断線した部分を特定し、その部分だけをカットしたものが冒頭の
「黒いビニールひものようなもの」です。
ケーブルについた細かい傷跡から”ネズミ”がかじったものという結論になりました。
ネズミを食べるフクロウのために巣箱をかける私たちは、
森に棲むネズミにとってみればフクロウに次ぐ第2の天敵です。
そんなことを知ってか知らずかネズミさんは私たちが手間暇かけて
設置したケーブルを噛み切って使えなくしてしまいました。
ネズミと私たちとのイタチごっこにならないといいのですが…
森を流れる沢では雪どけの水が大きな音をたてて流れていました。
(事務局 堤)