夕方、森番の松木さんに用があり森へと車を走らせました。
道路に面した石垣の脇で地に膝をついて草むしりしている松木さんが目に入りました。
「何だろう・・・?」
森の入り口に車を停めてそちらへ向かうと、松木さんが草を1本づつ抜いていました。
「おい、大変なんだぞ」と松木さん。
刈り払い機ではなく、こんな作業をするのにはそれなりの理由があります。
松木さんが1本づつ抜いていたのは「ヤブガラシ」という草でした。
しばらくの間、二人でヤブガラシ抜きです。
アファンの森では殆ど見かける事は無いこの草。
大きな木が無く、日当たりがいい道路に面したこの一角にだけ生えてきます。
放置された畑や河原などでよく見かけた事がありますが、
周囲にある植物や建造物までも覆い尽くしてヤブガラシ以外まったく見えていませんでした。
ヤブガラシはブドウ科のツル性の植物で、周囲にある植物に絡みついて覆ってしまうため
絡みつかれた植物は光合成が出来なくなり、やがて枯れてしまいます。
これが「ヤブガラシ」たる名前の所以です。
根茎が太く、栄養を貯めているので刈ってもまた出てくるのですが、
根茎を1つ1つ抜いている手間はありません。
それで出来るだけ地中の根茎に近い部分から抜き取っているのです。
長いもので地面から茎までの部分が10cmほどありました。
そしてその根茎たるや・・・見てびっくり!!!
立派な土付きゴボウのようです。
こんな「ジミチ」な作業の積み重ねが森を育てているのです。
(事務局 堤)