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アファンの森は今


③調査研究

アファンの森は人の手で再生した森として多くの方に訪れていただいています。
ですが29年前までは、約40年以上放置され「幽霊森」と呼ばれる暗く荒れた場所でした。

再び光を入れ、生きもので溢れる森へと甦らせるためにおこなってきた森の手入れ。

その中でアファンの森を大きく変えたひとつが池や水路の造成です。

廃水が悪く水が停滞していた湿地の水分を流し、植物の育ちやすい環境にしようと弥生池の南西に2004年に造成した水路は、10年が経った今緑豊かな場所へと変わっています。

0604_suiro.jpg 0604_suiro2.jpg
造成当初                  現在

そしてこの水辺の整備に伴いおこなってきたのが水生生物の調査です。
池と水路の造成により水生生物は増加し、2007年~2010年には23目87科192種が確認されました。

しかし、2013年の調査結果では16目58科123種となり、減少へ…
造成直後は似た生息条件を持った種が同じ場所に暮らせていましたが、その後の縄張り争いや餌の取りあいなどにより、決まった種しか暮らせなくなってしまったのかもしれません。
また、水面は植物が茂り、水中は泥がたまり流れや水深の変化が少なくなっているため、環境自体も単一化してきていると考えられます。

そこで、人と自然の研究所の皆様のお力をお借りし、人為的なかく乱を起こし再び多様な環境を作り出そうと、水路の泥上げを実施しました。

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泥上げ前                  泥上げ後

泥上げ後、足を取られるほど水底にたまっていた泥は少なくなり、水面を覆う植物は一度ゼロの状態に。
水深が確保され、水の流れもできはじめました。

DVC00011.JPG ezo.jpg 0616_otama.jpg
P9252012.JPG 0616_ooruriboshi.jpg 0616_suiro.JPG
日々の手入れも、特殊な手入れも、環境に変化を及ぼします。
人から見るとわずかな変化であっても、限られた範囲で暮らす小さな生きもの達にとってはとても大きな変化となります。

この水路でも、手入れにより減少する種、増加する種、そして新たに加わる種がいるはずです。
これからどんな生きもの達で構成されていくのか、さらなる調査を続けていただきます。

(黒姫事務局 嶋本)


0407_kentoukai1.jpg4月5日(土)、生きもの調査と森づくりの検討会をおこないました。

アファンの森では森づくりの評価を生きものにしてもらうために生物調査をおこなっていますが、森林整備との関係をより密接にして、お互いの価値を高めていこうという試みです。

お集まりいただいたのは、植物、チョウ、クモ、水生生物、鳥類、哺乳類、生態学それぞれを専門とした、調査に関わってくださっている皆さんです。

0407_kentoukai2.jpg  0407_kentoukai3.jpg 

センターで検討会実施の経緯などお話した後、まだ雪の残る森に向かいます。

0407_kentoukai12.jpg  0407_kentoukai5.jpg

間伐し、馬搬により材を搬出した国有林。ここでは国有林からアファンの森の広葉樹林にかけての植物の変化を調査していただいています。
調査について、今年度の間伐予定地について、未間伐地について、様々な意見がありました。

0407_kentoukai7.jpg  0407_kentoukai9.jpg

移動中にも、アファンの森全体の整備について生きものの視点で指摘や提案をいただきます。

0407_kentoukai8.jpg  0407_kentoukai10.jpg

専門家が揃えば見つけるものも幅広くなります。寒空の下でしたが、生きものの賑わいを感じることができました。

0407_kentoukai11.jpg午後は再びセンターに戻り、意見交換です。
調査者の方からの意見や疑問を数多くいただき、掘り下げた議論にもなりました。

森づくりと生きもの調査はアファンの森の原点であり、アファンの森を応援してくださる方々がいるからこそ長年続けてこれた大切な事業です。これからも見守っていただければ幸いです。

(黒姫事務局 嶋本)


アファンの森でクモの調査をされている新井さんがクモの観察会を開いてくれ、普段は鳥やリス、ネズミなどを調査している調査者の方々と一緒にクモを観察しました。

それぞれの専門があるので、普段は他の調査者の方はどんな調査をしているのかはなかなか分かりません。他の調査者の方々はどんな生きものを見ているのか見識を深めましょう、という事で、今回はクモでした。

130904_kumo1.JPG  130904_kumo2.JPG

日中は森で実際にクモを観察し、夜は部屋の中で図鑑や映像などを使って、朝から深夜までクモの奥深い世界を体験しました。

巣の張り方、張る場所が種類によって違うのはもちろん、クモの巣をはらないクモ、クモを専門に食べるクモなどなど実に多様。

1mも歩けば違う種類のクモが見つかるので、200mくらいの距離を歩くのに3時間かかりました。

 

  130904_nagakogane.JPG同じに見えるクモの糸も使い分けているのですね。

獲物を捕まえるために張る糸も粘着性があるタイプと粘着性のないタイプとあります。横糸と縦糸で粘着のありなしを使い分け、自分が歩くのは粘着性のない縦糸の上。

なるほど、クモが自分のクモの巣に引っからない理由がここにあるわけです。

巣をつくくるのに粘着性の糸を出さないクモもいるようですし、ハエトリグモの種類は巣を作らず、飛びかかって獲物を捕獲します。


クモの世界に足を踏み入れてみると、

なにかと嫌がる人も多いクモも、人間に対して何か悪い事をしているかというとそうでもないのでは?結構いいやつなのでは?なんて思ってくるものです。

ハエトリグモは良く見るとカワイイ顔をしていますしね。

おもしろい模様のクモもいました。

左、お腹が人の顔に見えませんか?「ビジョオニグモ」美女かどうかは分かりませんが。。。

右、鳥の糞に擬態?その名も「トリノフンダマシ」
130904_bijoonigumo.JPG  130904_torinohundamashi.JPG

クモとの距離が近くなった一日でした。

 

(黒姫事務局 大澤)

 

0723_hukurou.jpg21日の日曜日、フクロウが残していったものを取りに行きました。

ヒナが暮らしていた巣箱の底に敷かれていた、ふかふかの「巣材」です。

木に登り、巣箱の中から取り出した巣材を袋に入れていきます。



0723_subako.jpg0723_suzai.jpg

一見すると何の面白みのないものですが、掘り返して、よく見てみると…

0723_nokoshimono.jpg小さな骨や、羽根が。
フクロウのエサとなった小動物の消化できない部分、食べ残しです。

これを調べることで、ヒナが巣立つまでの1ヶ月間、一体どんな食べ物をどのくらい食べていたのか?という謎を解くことができるのです。
 

特にたくさん出てくるのはフクロウが大好きなネズミの骨。
0723_nezuminohone.jpg
写真の中央右側には頭の骨、左側には下顎が複数並んでいます。
1cmほどの小さな骨ですが、森に住むネズミか、草原や畑に住むネズミか、種類までわかってしまいます。

地道な作業ですが、こうした調査が生きものを知り、森の環境を知るための、重要なヒントとなります。
解析はビデオカメラの映像確認も合わせて、麻布大学の野生動物学研究室の学生さんが進めてくれます。

フクロウ達の食べ残し、今年はどんなことを教えてくれるのでしょう?

(黒姫事務局 嶋本)


今年も気になっていたフクロウの営巣。

3/19にカメラを接続したものの、その後カメラの調子が悪く映像が映っていなかったのですが、今日、調整が完了して映像が復活。

 

130402_fukurou.JPGすると、すでにフクロウの姿が!

映像が映らなかった10日の間に産卵したようです。

卵は見えませんでしたが、抱卵しているとみて間違いないでしょう。

カメラが正常に動いてくれていれば産卵の瞬間も確認できたかもしれないと思うとちょっと悔しい。。。

ともあれ、今年も巣箱に入ってくれました。

卵をあたためる期間はおおよそ30日間。

4月下旬には雛が孵る事でしょう。

しばらくはそっと様子を見守ります。。

 

さてさて卵は何個か・・・

フクロウが森にいるということは?

 

(黒姫事務局 大澤)

 

アファンの森では3月下旬ごろになるとフクロウが営巣し産卵します。

という事で、今日はフクロウの巣箱カメラのセッティングを行いました。

130319_subako.JPG

毎年、営巣状況、産卵や孵化の時期、雛へ与える餌の回数や種類の確認をするためにカメラをセットしています。

で、

まだ、卵はありませんでした。。。

昨年は2羽の雛が巣箱から巣立っています。

今年も営巣してくれるでしょうか。

4月に入ってから産卵という事もありますし今後に期待です。

 

作業している最中にもフクロウの鳴き声が聞こえました。

『ホーホー、ゴロスケホー』

 

あなたの家の準備は出来ました。

いつでも森に来てください(笑)

 

(黒姫事務局 大澤)

 

年度末。

各種報告書の取りまとめが行われています。

 

130315_houkokukai.JPG先日は各調査担当者が集まり、この1年間の調査報告会が行われました。

各調査担当者はそれぞれのタイミングで調査を行う為、なかなか顔を合わせる機会がありません。

調査担当者が一堂に会する報告会はお互いの調査の状況を知るためにも大事な機会です。

調査対象は違いますが、同じアファンの森での調査。

調査エリアは当然重なっています。

生育する植物の違いが、やってくる鳥の違いと何か関係があるかなど、それぞれの調査を重ね合わせると見えてくるものがあります。

その結果を森の施業に活かし森を育てて行きます。

 

森づくりの評価は生きものに聞く。

今後も続けて行きます。


(黒姫事務局 大澤)

 

雪が積もった調査エリアの様子.JPG昨日25日早朝、鳥の調査に同行しました。

前日の夜に降った雪で辺りはうっすら白くなっているなか、ラインセンサスを行いました。

雪が降る程なので寒い!しっかりと防寒をして出発です。

以前にも鳥の調査をブログに載せましたが、基本は鳥の声で種を判別します。

特に葉が生い茂る緑のシーズンは鳥が止まっている木がわかってもその姿を見る事はなかなか難しいのです。

しかし、

この時期、紅葉も終わり広葉樹が葉を落とした今は違います。

雪が降る時期は寒く、積もると歩く事も大変になりますが、鳥の姿を良く観察できます。

鳥の鳴き声だけでは判別できない私でも姿を確認できれば少しは判別できるかもと意気込んでいましたが、しかしながら、この日の調査はスギの人工林の中。

常緑のスギ林はやはり鳥の姿をかくしてしまうのでした。

それでも視認出来たのは・・・

体長10cm程の小さな小鳥キクイタダキ、ドラミングの音を響かせていたアカゲラ、アオゲラ、それからリスでした。

リスは鳥じゃないですが・・・

 

(黒姫事務局 大澤)

 

アファンの森ではまだ、ウロが出来るような太い木がありませんので、巣箱をかけ、鳥の繁殖の手助けを行っています。

主に、シジュウカラやゴジュウカラ、ヤマガラなどの小鳥が利用する巣箱をかけています。

121108_巣箱調査の様子.JPG今日はその巣箱の利用状況を調べました。

 

鳥の種類によって集めてくる巣材は違います。

コケを集めて作るもの、獣毛を集めてくるものと様々。その中には、寝ている犬から毛を引っこ抜いてくる強者もいるとか。

ん~、抜かれる方はたまったもんじゃないですね。

そうして、巣材からどんな鳥が営巣したのかを読み解いていくのですが、、、

121108_subakochousa2.JPG

 

 

鳥じゃない場合もあります。。。 ドングリを運び入れたのはおそらくネズミ。

小鳥の為にと思った巣箱も色々な生きものが利用するんですね。

 

巣箱の一つに雛の死骸が残っていました。

何者かに襲われたのでしょうか?

親鳥は雛を襲われないようにと必死で守っていますが、それでも叶わず残念な結果になってしまう事もあるわけです。

121108_背中で語る.JPG人知れず生存競争が繰り広げられているんだとしみじみ感じたシーンでした。

 

こんな感じで巣箱の利用状況を調べています。

どういう鳥がどの程度繁殖しているかわかる事によって、今の森の状態を把握して、今後の森づくりに活かしていけるのです。

 

(黒姫事務局 大澤)

 【調査者は背なかで語る】

 

麻布大学ではさまざまな生き物のつながりを調べています。

そのためのひとつで自動撮影カメラによる調査もしています。

120806_shika.jpg森林によってそこに暮らす動物がどう違うかという興味で異なる林にカメラを置いていますが、落葉樹林においたものにオスジカが写りました。

7月上旬の午後なので、林に差し込む木漏れ日の中で自然な動きをするシカのようすが写りました。よく見ると頭に角があります。

シカの角は春に落ちて「袋角」と呼ばれるビロード状のつのがニョキニョキと伸びてきます。その袋角のようすで、これからどのくらいの角になるのかが推察できますが、このオスはかなり立派な角をもっていますから、間違いなく枝が4本で、長さは50cmを超える角になると思われます。


3年生の萩原さんはこの春からアファンの調査に参加しましたが、げっ歯類が好きなのでリスとオニグルミのことを調べることにしました。

7月の調査のとき商品のクルミを20個買ってきてアファンの森に置いてみることにしました。

実は去年の秋にも挑戦したのですが、ネズミの動きがすばやく、カメラが反応したときにはもうネズミは視野の外に出ているということが何度もありました。

それで反応のよいカメラを手に入れたのです。 

 

7月14日の午後に置いてカメラをセットしました。

今日は朝から鳥の調査に同行しました。

鳥の朝は早い。

夜明けから30分ぐらいの時間がいちばん活発ということでそれに合わせるとなる夜も明けぬ時間から動き出すわけです。

森に葉が茂っているこの時期は目視で鳥を確認する事はなかなか困難です。

もっぱら鳴き声を聞いて鳥を判別していくのですが、鳥の専門でも何でもない私にしてみたら聞き分けるのはほぼ不可能・・・

調査担当の中村さんが何の鳥が鳴いているか解説してくれるのですが、次に聞いた時に、はたして先程鳴いていたのと同じ鳥なのか?違う鳥なのか?

私の場合、集中していても聞き逃す鳥の声に中村さんは反応して次々に鳥の種類を調査票に記録いきます。

こうして、アファンの森の鳥相が記録され森の整備に役立っています。

 

120725_kumahunn.JPG【おまけ】

調査中にクマの糞を見つけました。

新しいものではありませんでしたが、3日~4日くらい前のものではないかと思います。

アファンの森にはクマが出ますよ!

 

(黒姫事務局 大澤)

 

麻布大学 野生動物学研究室ではアファンの森の色々なポイントに自動撮影装置を設置し、森にやってくる生きものを撮影しています。

その中の一つにニホンジカが写っていたと高槻先生から写真をいただきました。

120723_shika_azabudai.jpg野生生物は夜中に姿を見せる事が多いので、自然と撮影されるものも夜が多いのですが、この写真は午後3時ぐらいだそうです。

ここまできれいに写っていると色々な情報が写真から読み取れます。

特に注目するのは頭部。

短い毛に覆われた袋角が15cm程伸びているのがわかります。

ニホンジカのメスには角は有りませんから、写っているシカは立派なオスであるとわかります。

 

各地でシカの増えすぎによる被害が出ていますが、アファンの森ではまだ目立った被害はありません。

しかし、十数年前はこの辺りでニホンジカは見なかったとも聞いています。

分布が広がっている事は間違いないようです。

 

(黒姫事務局 大澤)

 

120706_nest material recovery.jpgフクロウの営巣が遅くなりましたが、6月の中旬には無事巣立ったようです。

そこで7月4日に訪問した際、アファンの森財団の大澤さんにご協力いただいて巣に残されたフクロウの食べ物を分析するために巣材を回収しました。

みたところ、あまり骨が見えないようでしたが、これから分析をしてみます。

大澤さん、ありがとうございました。

 

 

昨年から森の掃除屋さんである糞虫と死体分解者のシデムシ類を調べています。

糞虫のことは「いきものしらべ8」で紹介しました。

今回はペットボトルを加工して、そこに大学の実験で出たマウスの死体をつり下げる「マウス・トラップ」を置いてみました。

120706_mousetrap.jpg すると驚くほどたくさんのシデムシが来ていました。

5月のときに死体をおいていたらすぐに分解されてしまい、シデムシが活発に動いていることはわかっていたのですが、それにしてもたくさんいました。

麻布大学では生き物のつながり(リンク)をテーマに調査をしていますが、去年からは糞を分解する甲虫、つまり「糞虫」を調べています。

 

120629_マエカドエンマコガネ.jpg今年になって次のような実験をしてみました。

容器に砂を敷き、馬糞を一個入れて、そこに10匹のエンマコガネという小さな糞虫を入れました。

長さが7ミリほどの小さな甲虫です。

そしてときどき馬糞がどう分解されるかを観察しました。

馬糞は直径が5cmほどもありますから、人間にたとえれば教室とか体育館くらいあるはずです。

 

 何日かかることやら、と思いながら調べたのですが、びっくりです。

4時間で少し形がくずれ、9時間経ったら糞はほぐれてしまいました。20時間経ったときは容器の底に広がってしまい、原型はもうありません。24時間後には敷きワラのようになっていました。

120629_enma_0hr.jpg 120629_enma_4hr.jpg 120629_enma9hr.jpg
  直後              4時間後              9時間後

麻布大学の学生たちが新しいシーズンの調査に入りました。

 

アファンの森にはテンナンショウがあります。

名前は確認中ですが、マムシグサの仲間であることはまちがいありません。

 

この植物はおもしろい性質をもっていて、性転換をします。

若いときはオスである大きさになるとメスに「変身」するのです。

 

また受粉は昆虫に頼っていますが、そのための工夫もあります。

 

袋かけそういうことを実験的に確かめようと、虫が受粉できないように寒冷紗で被う実験をしています。

しばらくお目障りですが、ご容赦下さい。

 

昨日からクモ調査に来ている新井さんと二人で南エリアに行ってみました。

通常は秋に成熟する種類のクモが、今年はどうもその時期が遅れているようなので、わざわざ

スケジュールをずらしてきたのですがこんな雪模様になってしまいました。

 

 

    【雪景色の南エリア】

111208_minamieria.JPGここは50年以上放置された森で、昨年まで動植物の

調査を行い、今年から整備を始めたところです。

ヤブを刈り払い来年植樹するところには目印の棒を立

てています。

 

 

 

 

 

 

       【クモさがし】

111208_kumochousa.JPG

クモの調査は、落ち葉の下や枯れ木の樹皮の裏側、

小川の流れにある石を裏がえしてみたりと、植物や

鳥の調査とはあきらかに手法が違います。

宝さがしのようでもあり、なかなか楽しいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

枯れ木の裏側に白い繭のようなクモの住居がありました。

新井さんがその白い住居を手でそっと破ると、すばしっこい小さなクモが出てきました。

 

    【ネコハエトリ】

111208_nekohaetori.JPGジャンプ力があり、1とびで体長の数十倍も移動します。

「ネコハエトリ」というハエトリグモの一種だそうです。

ハエトリグモは大好きなクモの一つで、こどもの頃にハエを捕まえ

る瞬間が見たくて畳の上に這いつくばってじっとその時を待って

いた事を思い出しました。

ロボットのような機械的な動きと、ジャンプ力、そしてつぶらな瞳が

とてもカワイラシイのです。

冬籠りしていたところを起こしてしまってごめんなさい。

 

 

 

 雪の中のクモさがしもなかなか楽しいものでした。

 

 

(黒姫事務局 堤)

 

 アファンの森には学生といっしょに春から毎月調査に来ていますが、12月は2-4日おじゃましまし

た。もうすっかり冬のようすで、4日の朝は高い山は白くなっていました。

 

 秋からオニグルミについて次のようなことを調べています。

アファンの森にはクルミが多いですが、これはネズミとリスが利用します。

食べられるのですが、土に埋めたものを一部忘れるらしく、それが母樹から離れて芽生えるのに

役立っています。そうのはずなのですが、ではいったいどれだけのクルミができて、どう運ばれるの

か。ちゃんと調べてみたいと思いました。

それで東京環境工科専門学校 の学生さんの協力を得て、1本のクルミの下に落ちているクルミを

全部数えました。数えるだけでなく、位置も調べました。また今年落ちた実には針金でマーキング

しました。

 

その後、訪問するたびにその点検をすると、確かに動かされたり、消失したりするものがあり、リス

やネズミが動かしていることがわかります。

誰がくるかを調べるためにクルミを置いて、その前に自動撮影カメラをおくことにしました。

そのためにスギの根もとにあるスギの枝葉を除こうとしたら、そこにたくさんのネズミの食べあとの

あるクルミがありました。たった1本の木の下にたぶん百をゆうに越える数のクルミがありました。

長年の「貯蓄」だなあと思いました。

 

 

111207_afannokurumi.jpg

写真1:アファンの森のスギの根もとに貯められていたクルミ

 (東京に持ち帰って撮影)

 

 

        111213_kurumi_nezumi.jpg              111213_kurumi_risu.jpg


        写真2:ネズミの食べあとのあるクルミ                    写真3:リスに割られたクルミ

 

 

 

自動撮影カメラといえば、11月にケンポナシを置いたところ、キツネとテンが訪問しました。

 

111207_kitsune.jpg          111207_ten.jpg

          写真4:キツネ                     写真5:テン

 

 

ケンポナシはたいへん変わった「実」を着けます。

「ナシ」というくらいで、甘くよい香りのする実です。ふつうの多肉果実は子房の発達したものが多

いのですが、ケンポナシはなんと果実を支える柄の部分が肥厚して、カリントウのようになって

「果実」と同じような働きをします。その先端にある丸いのが種子が3個入っている本当の果実です

が、ケンポナシの場合、果柄を果肉がわりにして動物に種子を食べさせます。

 

111207_kenponashi.jpg

写真6:ケンポナシの「果実」

カリントウのような部分が果柄で先端の球状のものが種子(3個入っている)

 

ガマズミやカンボクなど赤くて目立つ果実は鳥の目にとまるように派手で、枝に長いことついていま

すが、ケンポナシやサルナシは色が地味で早めに地面におちて、よい匂いを出します。これは哺乳

類に種子を運ばせる作戦に違いありません。

でもケンポナシは東アジアの一部にしかないため、調べられたことがないのです。

今回初めて哺乳類が食べにくる写真が撮れました。ささやかな「世界初」で、私はその夜、ワインを

おいしくいただきました。

 

 これとは別の自動撮影は夏から継続していますが、今回、若いオスジカとイノシシ、それにまるま

るとふとったタヌキが2匹写っていました。オスジカは枝角が3本で、これから4本になります。

 

111207_osujika.jpg  111207_inoshishi.jpg  111207_Tanuki2hiki.jpg

     写真7:オスジカ          写真8:イノシシ          写真9:タヌキ

 

人間でいえば成人したばかりというところです。シカはこれまでも写真に撮っていましたが、今回初

めて糞を確認しました。いくつかの植物に食べ痕を見ていますが、堤さんによるとツリバナに食害が

出ているそうです。私はアオキを心配しています。房総ではほとんどなくなってしまいました。

 

 森は着実に季節のねじを巻きながら、季節おりおりのドラマを見せてくれます。 

 

(高槻記)

 

..............

麻布大学 野生動物学研究室の皆さん

高槻成紀先生が担当されている研究室で、いくつかのご縁が重なり2009年の6月からアファンの森での生き物の調査にご協力いただいています。

2010年3月には麻布大学とアファンの森財団が「学術交流協定」を締結し、一層の協力を進めることになりました。「森林管理が生き物のつながり(リンク)に与える影響を科学的に実証する」を全体のテーマとして、毎年学生が調査研究フィールドとして活動しています。

 

 

9月25日は東京環境工科専門学校の学生さんにも手伝ってもらってオニグルミの調査をしました。

1本のクルミの木の下に落ちているクルミの位置を全部調べました。

 

                  【クルミの位置を調べる学生の皆さん】

110925_kurumicyousa14_10.jpg

 

 

ぼたぼたと落ちている今年のクルミのほかに去年までのものでリスに食べられたもの、ネズミに

食べられたものもあります。

 

   【リスに食べられたクルミ】                     【ネズミにかじられたクルミ】

110925_kurumirisu_15.jpg 110925_kuruminezumi_15.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人海戦術」はすごいもので、わりあい短い時間でできました。

学生の皆さんありがとうございました。

  


8月に自動撮影カメラの前にクルミとヤマボウシの実をおいて、リスかネズミかが食べにくるのを

撮影することにしました。今回いったらクルミが動いていて、ヤマボウシの実はなくなっていました。

「リスが来たんだ!」と楽しみにカメラのデータをみたら、なんとタヌキ君が来ていました。

 

 

                       【カメラに写ったタヌキ】  

110918_tanuki.jpg 

 

 もう少し継続して調べる予定です。

 

 (麻布大学野生動物学研究室)

 

 ..............

麻布大学 野生動物学研究室の皆さん

高槻成紀先生が担当されている研究室で、いくつかのご縁が重なり2009年の6月からアファンの森

での生き物の調査にご協力いただいています。

2010年3月には麻布大学とアファンの森財団が「学術交流協定」を締結し、一層の協力を進めること

になりました。「森林管理が生き物のつながり(リンク)に与える影響を科学的に実証する」を全体

のテーマとして、毎年学生が調査研究フィールドとして活動しています。

 

 

このところ夏がぶり返したような暑さが続いていますが、季節は確実に秋に近づいているようです。

アファンの森の一角にあるカヤバ(萱場)にはたくさんのススキが穂を広げていました。

 

 

110915_Susuki.JPG

 

 

この日(9月15日)、麻布大学の高槻研究室のメンバーがカヤバで調査を行っていました。

高槻研がアファンの森で行う調査にも様々な目的があり、それぞれに内容も異なります。 

 

110915_Chousa1.JPG

 

 

ここでは1m四方の広さのススキを刈り取り、そこに生えているススキ以外の背の低い植物の

種を特定し、それらのバイオマス量を計量するために採取したり・・・。

細かな作業を4人の学生(全員女子)と高槻先生とがテキパキと進めていきます。

 

 

110915_Chousa2.JPG 110915_Chousa3.JPG

 

カタバミ、メドハギ、ヨモギ、アオイスミレ、ゲンノショウコ、ナワシロイチゴ、ホソバヒカゲスゲ・・・

たった1m四方の場所から、あっという間に10種以上の植物が数えられました。

 

          知らない人には一見地味で大変そうな作業に見えますが、

             実はとても楽しく、発見に満ち溢れいるのデス。

      ただし、興味とモノの見方一つでツマラナイものになってしまうのですが・・・。

 

 

110915_Yabukiri.JPG

 

  

  カヤバの外に出ると、枯れたタラノキの幹にとまったヤブキリがじろりとこちらを見ていました。

 

         「そんなところで油売ってないで事務所に帰って仕事しろっ!」

 

            たぶん、そんなことは言ってなかったと思いますが・・・。

 

               「スミマセン タノシカッタモノデ ツイ ・・」 

 

 

 

(黒姫事務局 堤)

 

晴天が続きます。

今日もクモ調査に来ているアライさんと森で昼食。

先日おこなった下草刈りが、クモの生活環境に与える影響について聞いてみました。

結果は「悪い影響はない」とのこと。

 

 

理由はいろいろありますが、大人数で広い面積の草を一気刈り取るのではなく、

少人数でそんなに広くない面積の草を刈り、隣接して草を刈り取らない環境が

残っているからだそうです。

草ムラと草を刈った環境が隣接して存在することになり、一時的にしろ

環境が多様になった分だけクモにとってはプラスの面もあるとのこと。

 

 

110907_InazumaHaetori.jpgそんな話をしていると、足元に1匹のハエトリグモが

やってきました。あまり見かけないクモです。

名前を尋ねると「イナズマハエトリです・・・」と

教えてくれました。

ずいぶん威勢のいい派手な名前です。

胴体の模様が稲妻(イナズマ)に似ているからだそう。

 

 

動きが素早くてやっとうまく写真が撮れませんでした。

何せイナズマですからね。

 

 

 

 

110907_TsuriganeNinjin.JPG草刈りの終わった場所にツリガネニンジンの花が

咲いていました。

すべての草を刈り取るわけではなく、種類によっては

こうして残すものもたくさんあるのです。

 

 

 

 

 


(黒姫事務局 堤)

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