アファンの森財団では、これまで子どもの心に寄り添う活動「5センス」プロジェクトとして、児童養護施設の子ども達や東日本大震災の被害に遭われたご家族をアファンの森に招いてきました。そして、今年度新たに、公益財団法人イオンワンパーセントクラブ様と共に新たに東日本大震災に伴う原発事故を経験した福島県の子どもたちの心のケアを目的とした活動「福島キッズ森もりプロジェクト」をスタートさせました。
震災以降、原発の影響により外遊びを制限され自然と触れ合う時間が減ってしまったり、引っ越しを余儀なくされ環境が大きく変わってしまい、精神的な不安やストレスを感じている子が増えていると感じます。アファンの森も含め、森林セラピーの先進地でもあります信濃町を中心に、豊かな自然とふれあいながら心身を解放し、心のケアを行ってまいります。
このプロジェクトでは、本年より3年間で約1,000人の福島県の子どもたちを招待する予定です。
その第1回目として、5月6日(金)~8日(土)の3日間で、福島県いわき市の子ども達39名を招待しました。今回はアファンの森とその周辺にある野尻湖畔や戸隠の森を訪れ、それぞれの自然の魅力を身体全部を使って体験してもらいました。
子どもたちは福島県を6日夕方に出発し、夜に長野に到着。明けて7日の朝から、活動がスタートしました。1日目はアファンの森と野尻湖畔、2日目は巨木の森、戸隠で過ごしました。
6日の夜遅くに到着したにもかかわらず、翌朝は早くから子どもたちは起き、これから始まる活動に興奮ぎみでした。
アファンの森は、30年かけて整備された命溢れる豊かな森です。過去にどんな経験をしてきた子どもたちであっても、全てを受け入れてくれるのが森という存在です。様々な動植物の命を身近に感じながら、森でゆっくりしたり、活動的に動いたり、今回参加してくれた子たちはどちらかといえば活動的な子が多かったようです。森のブランコ、木登り、ハンモックなど、森で思い思いに過ごしました。
野尻湖はナウマンゾウの化石が出土した太古の昔を感じられる湖。
湖はアファンの森の中にはない環境です。湖畔をのんびり歩きながら、いい匂いのする木、鳴き声を追って鳥を観察したり、湖の浅瀬で水遊びしたり、ノコギリで木を切ってみたりと、様々な体験をしました。
夜はみんなでお絵かき、アートセラピーです。絵を描くと、その絵には自分の内面が現れてきます。それをみんなの前で発表、表現することで自分の気持ちに整理がついたり、自分の事を聞いてもらえた、反応してもらえた、という事を体験することで自信につながったりします。短い時間ですが、自分自身の気持ちに変化がでてくる、今の子どもたちにとって大切な時間になります。
樹齢100年を超える巨木が立ち並ぶ戸隠の森もアファンの森にはない環境です。
アファンの森では見られない大きな木に触れたり、戸隠山からの雪融け水の冷たさを感じたり、樹齢400年を超える杉並木に圧倒されたり。雪融け水流れる小川に手を入れると気持ちいいですが、冷たすぎてずっとは浸けてはいられません。直にその冷たさを感じる事で今を生きていることを感じられたのではないでしょうか?
東日本大震災から5年が経つ今も、その影響を受ける子どもたちがいます。放射線の影響から外で遊んではいけない、小川には入ってはいけないと制限を受けている子ども達が、長野県信濃町に来て、やっと外で思いっきり遊んで、やりたいことができる。実質1日半の短い活動時間でしたが、子どもたちからはたくさんの笑顔が見られました。心と身体の開放ができ、日頃のストレスが和らいだと思います。
(黒姫事務局 大澤)
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